(おつる←ドフラミンゴ)






自身の執務室に、当たり前のように行儀悪く机の上に座って居た男に。嫌そうに、鬱陶しそうに顔をしかめながらも。

「・・・・いい子だから、早くお帰り。ドフラミンゴ。」

おつるは、海軍本部に頻繁に来ること・長居することの危険を案じる言葉をかけるが。男は、その言葉を笑い飛ばして。

「出掛けようぜ、おつるさん!」

勝手な言葉を告げると同時に。おつるの小さな手をとり、扉に向かって歩きだす。

「・・・・1人で出掛けて、帰りな。」

けれど繋がれた大きな手を、おつるは振り払い。仕事に取り掛かろうとするから。

「・・・・っ!!」

ドフラミンゴに、おつるは攫われることとなる。

「ちょっ!ドフラミンゴ、降ろしな!!」

背が高い男の肩に無造作に担がれたための不安定な体勢と、不安定に揺れる視界は一種独特な恐怖で。思わず出た、荒く強いおつるの声を楽しそうに笑いつつ。

「フッフフフ。降ろしたら、あんた仕事するだろ?」

機嫌悪そうに、ドフラミンゴは答える。
その分かりやすい不貞腐れ具合に、おつるは非常に疲れたため息を溢して。駄々をこねる子供みたいな男に。

「・・・・・降りても、仕事しやしないから。降ろしな。」

不本意そうに、仕方なさそうに。おつるは、約束してやった。
その言葉を、素直に。そう、素直に信じて自分を降ろすドフラミンゴに、おつるは本当に不本意そうに、心底、仕方なさそうに。

「・・・・見送ってあげるから。もう、お帰り。」

ドフラミンゴの、大きな手をとって。自身が譲れる、最大に妥協した案を告げてから歩き始めた。
そうすると強制的に従わせる力を伴わない、束縛するには弱すぎるおつるの手に逆らわずに。ドフラミンゴは、おつるの後を大人しく着いてきた。
それは、残虐で傲慢で名を轟かせた男には似付かわしくない行動の数々だったが。おつるには、見馴れた行動だった。



(・・・・見馴れるほど、一緒にいるっていうのは。問題、なんだろうけどね・・・・。)



でも、この時だけは恐ろしいぐらいに騒がず、大人しく手を繋いだままで着いてくる男に。溜まっている仕事も、海兵として問題ある行動をしていることを見ない振りをしてやってもいいかと諦めている己がいることに。

(・・・・なんだか、なぁ・・・・。)

おつるは、苦笑いしか出来ないまま。誰にも会わないよう、慎重に足を進めていった。








(らしくない行動を、互いにだけする歪な『関係』。)














某サイト様に感化されて、突発的に書いてみたのですが。うん、割りと書きやすかったけれど。楽しかったけれど、ガープ←おつるがいいな!(結局、そこに行きつくんかい!)










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