(白ひげ×マルコ)







・・・・あたたかい、何かが腕のなかにある。
ほっとするような、くすぐったいような何とも不思議なあたたかさの正体を確かめるべく目を開けた白ひげの視界に入ってきたものは。

「・・・・っ・・・・!」

全身を真っ赤にし、うっすらと涙ぐんでいるマルコの姿であった。
一瞬、状況がよく分からず。ぱちぱちと金の瞳を瞬かせる白ひげに耐えきれないように身を縮こませ、己のうえで俯いているマルコの背中を慌てて慰めるよう宥めながら。

(・・・・あー。昨日は、あのまま寝ちまったんだったな。)

マルコを抱きしめて寝るという状況に至った出来事を、白ひげは思い出す。
・・・・昨日、思い切ってした告白に対して、一生懸命に告白しかえすマルコが可愛くて愛しくて。だから抱きしめているだけでは足らず、つい。

(・・・・キスしたんだが、まさかそれで気を失っちまうとはなあ。)

触れるだけの、涙を零す頬にキスをしただけなのだ。
しかし滅多なことでは動じない一番隊隊長は、そのキスに大いに動じ。目を白黒させ、唇をはくはくと震わせ、これ以上は赤くなれないだろうほどに全身を赤くさせたあと。

「・・・・あ、ぅ・・・!」

ぱたり、と倒れた。
まさかキスしたぐらいで倒れるなんて思いも寄らなかった白ひげは、滅多にない焦りを表情に滲ませマルコを起こそうとしたが。

「・・・・うぅ、オヤジ・・・・。すき・・・・だよい。」

意識を失っても、好意を繰り返し音にするマルコに。思わず動きは止まり、固まる。
・・・・もう四十歳近いし、顔立ちは整ってはいるが美形とは言いがたい男なのだが。

(・・・・なんだろう、この可愛いイキモノは。)

恋に溺れている欲目かもしれないが、白ひげは本気でそう想う。
だって告白だけで、涙を零すほど感動し。キスだけで気を失うほど己を特別だと意識しまくり、気を失って無意識でも好きを繰り返し告げる姿は可愛いらしいとしか言えない。
しかし、可愛らしいからと行動に出たくても未だマルコは気を失ったままで。
流石に意識のない人間に手を出すのは不味いから起こすことも考えたが、おそらくまた気を失わせることになるのは確実だから、どうしようかと暫くは悩んでいたが。

(・・・・今日は、もういいか。)

白ひげは、マルコを起こさないことを決めた。
告白は成功し、晴れて恋人になれたのだ。
焦らなくても明日、また腕のなかにいる起きたマルコにキスすればいい。
それに、腕のなかにいる恋人の。

「・・・・オヤジ・・・すき・・・・。」

この可愛らしい愛を、聞いていたいのも本音だ。
だから白ひげはマルコを起こさず、腕のなかに抱きおさめ。しあわせににやけた顔で、無意識下でも好きだと伝えてくるマルコを堪能しながら、いつしか眠りについていた。








オヤジ相手だと、どうしてもマルコが乙女(爆)になってします罠。
そして、そんなマルコにベタ惚れなオヤジなのでバランスは取れているかと(笑)





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