(白ひげ→←←←鳥マルコ)
そんなに難しいことを、白ひげは言ったわけではないのだが。言われたマルコは、真っ赤な顔で固まっている。
(・・・・マルコからキスをしてくれないかって、言っただけなんだがなあ・・・・。)
いつまで経っても白ひげに対して純情な恋人は、この程度の強請りでも恥ずかしさに硬直し。すぐには、してくれない。
そんなもの慣れなさも愛しいとは想うが、でももう少し慣れてほしいとも思っている白ひげの前で。
ようやく硬直が溶けたマルコはおずおずと白ひげに近づき、可愛らしいリップ音を立てた、触れるだけのキスをする。
そして、白ひげの口唇から離れると同時。マルコは不死鳥に変化し、白ひげの膝のうえ恥ずかしさで蹲っている。
「・・・・いつまで経っても、恥ずかしがりやだなぁ。お前は。」
青い焔の鳥は、恥ずかしいという感情で変色した赤い焔を背中に纏い、舞わせ。ふるふると震えながら。
「・・・・オ、オヤジが、す、好きだから。恥ずかし、いんだい・・・・。」
ぼそぼそ、と言い訳をするが。そんな言い分は、ただただ白ひげを喜ばせ、煽るだけである。
だから煽られた白ひげが恥ずかしがる青を可愛がり、苛めたがり、愛したがるのは致し方ない、自業自得なことであるのだろう。
(貴方のことが好きすぎるから、恥ずかしさはいつだって消えることはない。)
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