(親1)
・・・・それは、偶然であった。
船長室にいた白ひげの傍で近況報告をしていた時、いきなり天候が嵐に変化して。そのせいで激しくモビー号が揺れ、いきなりなことでバランスを取り損ね傾いたマルコの身体が。
「っ!?!」
白ひげに向かって、倒れこんでいった。
反射的に、白ひげはたくましい腕でマルコを抱き留め。大丈夫かと、伺おうとしたが。
「・・・・っ!!」
近すぎる距離から覗きこんだマルコの顔は見たこともない赤さで、青の瞳は緊張と混乱で涙が零れ落ちる半歩前で。そんなマルコに驚き、白ひげの意識が周りから逸れた瞬間。
ぐらり
船が傾いた。
普段の2人なら、きちんと対応できる揺れであったがマルコは片想いしている相手に抱きしめられているせいで。そして白ひげは初めて見るマルコの表情に気をとられていたため、対応出来ず。
ただでさえ距離が近すぎる2人の距離は、0となり。
「「!!!!!」」
マルコと白ひげの口唇が。
「ごごごごごご、ごめんよい!オヤジイイイイ!!!!」
触れた、と感じる前にマルコは謝罪の言葉を置いて全力で船長室から逃げ出した。
偶然とはいえ、好きな人としてしまったキスに。恥ずかしさと、いたたまれなさと、嬉しさと恥ずかしさとに耐えきれなくて白ひげが何か言う前に部屋から飛び出したマルコは。
そのせいで、思いがけないマルコとのキスに嫌悪を覚えず、普通に可愛かったなあと思った自分にバツが悪そうに照れくさそうに表情をしかめている白ひげを見逃すという、残念なことをしてしまった。
しかし、この一件以来。白ひげがマルコを意識しはじめ、行動を示しはじめたお陰でマルコの長い片想いが終わることになることは。
「あああああああああ!!!!」
全身を真っ赤にして、頭を抱えて逃げているマルコに分かるはずもない未来であった。
(キスから始まる、結ばれるための恋。)
これにて企画ss、終了です!
どこの少女漫画だよ!?って突っ込みたくなる片恋ssですが。ベタベタな展開って好きなんで親1で書けて満足です(笑)
というか企画ss、全て片恋・両片思いで書くという片寄りっぷりに乾杯(爆)
でも、後悔はない(きっぱり)←おい
この度の企画に参加してくださった皆様、ありがとうございました!
少しでも楽しんで頂けたら幸いです(お辞儀)
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