(親1)
白ひげから一緒に過ごそうと誘われた24日、当日。
溜めていた書類仕事を、かつてないほどの早さで処理する羽目になった者たちが疲労困憊で寝込むなか。甲板の定位置に座る白ひげの傍で、マルコはしあわせに笑っていた。
・・・・あの優しい笑顔だけを見ていれば、白ひげと過ごす時間のためだけに、非常に容赦なく厳しいことをしていた人物と同一だとは思えないと周りから思われているマルコは。
白ひげに用意されている料理を口元に運んだり、酒を注いだりと、かいがいしく尽くして。
「・・・・オヤジ、楽しいねい!」
本当に、しあわせそうに。にこにこしている。
そのマルコの笑顔に、白ひげもしあわせそうに笑い返して。
「・・・・ああ、楽しいな。」
恋人と過ごす時間を、堪能している。
そんな、しあわせに溢れた空気に当てられた者たちが二人から離れていき。静かになってしまった空間で。
「・・・・オヤジと一緒に過ごせて。本当に、しあわせだよい。」
噛みしめるように、マルコは告げる。
その一緒にいるだけでしあわせだと、あまりにささやかなことを大事そうに言うマルコを、愛しげに見ながらも。
「なんだ、一緒に過ごす以外はしあわせじゃないのか?」
白ひげは、わざと。からかうように聞く。
その言葉に大げさなほどにマルコは首を横に振り、慌てふためきながら。
「それ以外でも、しあわせだよい!!」
必死に叫ぶ。
そんな、一生懸命に叫ぶ可愛らしいマルコの姿に、甘く笑いながら。
「本当かぁ?」
「本当だよい!!」
白ひげは、ちっとも疑っていないのに。マルコをからかうためだけに、言葉を口にする。
そして、そんな白ひげを分かっていても。マルコはそんなことはないと訴え、否定せずにはいられない。
そうして、マルコの反応を楽しむだけのやりとりを暫くしたあと。
「・・・・これからも、よろしくな。奥さん。」
白ひげは、改めて真面目に。己の恋人であり、つがいでもあるマルコに告げる。
そのセリフに、一瞬にして全身を真っ赤にしたあと。マルコは、しどろもどろに。
「・・・・こ、こちらこ、そ。よろしく、お願いし、ます。」
普段、使わない敬語を使い。小さな小さな声で。
「あ・・・・あ、なた・・・・。」
返答を、した。
その答えに破顔する白ひげとは対照的に、マルコは。
「・・・・は、恥ずかしくて。死にそう、だよい・・・・!」
自身で言った言葉に耐えられないように俯き、縮こまっていたが。このやりとりなんか、まだまだ序の口だということを白ひげによって、これから思い知らされる羽目となる。
(甘くて、長い聖夜のはじまり。)
当サイトでは珍しい、まっとうな親1夫婦版です(爆)
そして、珍しく甘いです(当社比)
恋人で、夫婦で、つがいな二人が好きです!(言い逃げ逃走)
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