(白ひげ×マルコ)
・・・・10月5日、1日限定ではあるが。白ひげ海賊団1番隊隊長の役職から、マルコは外される。
そうして役職を、肩書きを外されたマルコは。ただ、白ひげの恋人という肩書きだけのマルコとして、この日は白ひげの傍で1日過ごすというのが仲間たちからのマルコへのプレゼントだ。
・・・・まぁ、このプレゼント案をした仲間たちに最初は反発したマルコではあるが。
しかし、常日頃『公』ばかり優先して『私』を遠慮ばかりしているマルコなので、白ひげと恋人として過ごす時間が圧倒的に少ないのは事実である。
そんな、共にいるのが少ない時間をマルコも白ひげも互いに理解して受け入れてはいるが。白ひげが少しばかり、寂しい感情を抱いているのを見抜けない息子たちではないので。
「「「「「「・・・・マルコ。お前、ちょっとそこに座れ。」」」」」」」
反対するマルコに、仲間たち全員で説教という名の説得をねちねちとした結果。マルコは快く(?)納得してくれた。
マルコの誕生日にかこつけた、誕生日プレゼントという名目の白ひげのしあわせを第一に考えた、この案を。マルコ以上に嬉しそうにして、楽しんでいる白ひげに。
「「「「「「よし!!!」」」」」」
ガッツポーズしながら喜んでいる仲間たちを、横目に見ながら。
白ひげの傍に侍っているマルコは、この状況を感謝すべきだと想いつつも、自身より白ひげの感情を理解していた仲間たちに悔しい気持ちがあるために素直に感謝出来ないでいるが。
「・・・・マルコ。生まれてくれて、出会ってくれて、ありがとう。」
優しい笑みで、優しい声で。祝福の言の葉を落としてくれる、大好きな人を前にすれば。
「・・・・ありがとう、オヤジ。」
簡単に、素直になれるマルコは。白ひげの傍で、笑って。
「・・・・いま傍に、いれて。一緒にいれて、嬉しいよい。」
素直な言葉を答え、捧げる。
そうすれば。
「俺も、お前の傍にいれて。一緒にいれて、嬉しいぜ。」
同じ気持ちを、言葉を白ひげから返してもらい。
「・・・・あ、ありがとう・・・・!」
真っ赤な顔で、眠たそうな目を閉じた満面の笑顔のマルコを眩しげに見ながら。白ひげも、また見惚れるような素敵な笑顔を浮かべ、マルコに触れてくるので。
「・・・・。」
マルコの心臓を煩いぐらいに乱し、身体を緊張で固まらせていた。
いつもなら、その触れてくる手から逃げるように離れて『隊長』として在ろうとするけれど。
(・・・・今日、ぐらい。いい、よな?)
隊長から外された、ただのマルコなんだからと言い聞かせて。真っ赤になりながらも触れてくる大きな大きな手に、甘え擦り寄れば。
ひどく、ひどく愛しげな眼をした白ひげと視線を交わすこととなる。
それが恥ずかしくて、俯くも。マルコは決して白ひげから離れることなく、ただの恋人として手を白ひげに伸ばして。
「・・・・・だ、抱きついても、いいかよい・・・・・?」
甘えるために言葉を、行動を示して。
「もちろんだ。」
恋人を喜ばせながら、ずっとずっと傍に居続けた。
(・・・・・1日ぐらい。立場に囚われない恋人時間が有っても、いいでしょう?)
マルコ、誕生日おめでとう!
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