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自身の背中に懐いて、つらつらとどうでもいい話を楽しそうに話すエースを。いつからかマルコは『弟』という目で見れなくなったが、そのことをエースに言う気はなかった。
何故ならエースとは親子ぐらいに年は離れているうえに、しかも同性なのだ。
(・・・・・・想いを告げたところで。振られることは、火を見るより明らかだよい・・・・・・。)
だから、何も告げず。エースが兄として慕ってくれる『今』を大切にしているマルコは、だからこそ気づいてはいない。
自身の背中にくっついているエースが、マルコによからぬ想いを抱いている男達に無言の牽制及び圧力をしていることを。マルコに触れることを許されていることに、顔を甘やかに崩していることを。
『今』を大切に過ごすマルコだけが、エースのあからさまな想いに気づいてはいなかった。
(しあわせは、背中に在る。)
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