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サッチと仕事の会話をしていたマルコが、いきなり。
「・・・・少し、待ってくれ。」
会話を、中断させたので。真面目な男の珍しい言葉に、驚いたサッチだったが。
「マルコ!マルコ!!」
大声でマルコを呼び、バタバタと近づいてくる騒がしい足音によって。
「・・・・あー。」
今のマルコの発言に、納得した。
・・・・時間が空けば、エースはマルコを探す。そして見つけたら、その背中にくっつこうとする。
だけど、今。仕事真っ最中なマルコは、エースを背中にくっつけておけないので先に断っておこうというのだろう。
「俺はエースがいても、気にしないぞー?」
からかい半分、本気半分で告げるサッチを。ギロリ、とマルコは睨みつけながら。
「けじめは、必要だろい。」
真面目な、けれど固い言葉を吐く。
そうしている間に。
「あ、マルコ!!」
エースは、マルコを見つけ。走る速さを落とさずに、マルコの背中に飛び付いた。
「うぉ!」
あまりに勢いがある飛びつきに、マルコはたたらを踏むが。けれどエースは、そんなこと気にしないで。
「マルコ、マルコ、マルコ!」
大好きな飼い主にまとわりつく犬のように、マルコの背中に懐いている。
「・・・・エース・・・・。」
今は、仕事中だよい。
頭を押さえ、少し疲れた声で告げるマルコの姿を見て。
「・・・・ぶっ、くくくっ・・・・!
いいじゃん、そのまま仕事すりゃあ!
・・・・くくくっ!!」
笑いを堪えながら、サッチは面白そうに言う。
その声を聞いて、初めてエースはサッチを見。
「あ、居たんだ。サッチ。」
なかなかに、酷いことを告げるので。
「最初から、居たわ!!」
抗議するように、サッチは突っ込む。
けれど、マルコの背中にくっついたままのエースは。
「そうだったかあ?」
首を傾げて、悩むので。
「・・・・ほー。」
青筋を額に浮かべたサッチは、次の瞬間、それはそれはイイ笑顔を浮かべて。エースを、マルコの背中から引き剥がして。
「・・・・あー!!!」
マルコを、真正面から抱きしめた。
「ちょっ、ズルい!離せ、サッチ!!」
すぐさまエースは、サッチをマルコから引き剥がそうとするのだが。流石は四番隊隊長、軽くエースをあしらってマルコから離れることはない。
「〜ズルい!!サッチ、ズルい!!!」
「ズルくて結構!悔しがれ、羨ましがれ!!」
大人気ないサッチと、子供なエースのやり取りに。マルコは、深いため息一つ落としてから。
「「!!」」
容赦ないゲンコツを、二人の頭に落とした。
床に跨がり、痛みに呻く二人を一瞥だにせずマルコは。
「仕事の話、続けるぞ。」
淡々、と。何事もなかったかのように、話し始めるので。
「・・・・ひでえ、マルコ、ひでえ・・・・!」
「・・・・うぅ、痛い・・・・!」
恨みがましげな視線で、言葉でサッチとエースは訴えるが。
「仕事の話、続けるぞ。」
淡々、と。けれど、先ほどより冷たさが多分に含まれたマルコの言葉を聞いた瞬間。
「「はい!」」
即座に立ち上がり、いい子の返事をする。
2人のその素直な姿に、言葉に。マルコはエースの頭を褒めるように撫で、サッチにやわらかい表情で笑いかけながら。
「じゃあ、始めるぞ。」
声をかけるが。マルコに希少な笑顔を、接触を与えられた2人はカチンと固まって、いつまで経っても動かないので短気なマルコに、また容赦なく殴られることになる。
(つれない貴方が、それでも好きです。)
長兄大好きな2+4も好きです。←誰も聞いていない
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