(英雄→←大参謀)







海兵である以上、無法者たちとの戦いは避けられないことであり。
そして戦うのであるば、傷を負うことは避けられないことである。
だというのに。

「大丈夫か、おつるちゃん!」

救護室に入るなり、視界に飛び込んできたおつるの両腕に巻かれた包帯に。ガープは大慌てして、騒いでいる。
海兵として当たり前に起きることを、男ならば気にもされない程度の怪我を、女だからと心配される言葉が鬱陶しく。
また自分に手傷を負わせ、逃げおおせた海賊を叩きのめし捕まえてみせた男の痛ましげな視線は、苛立たしい。
だけどガープに、胸のなかを渦巻く気持ちをぶつけるなんて筋違いで、間違いだから。

「・・・・この程度のことで、いちいち騒ぐんじゃないよ。」

おつるは、普段通りを装い。

「すぐに現場復帰できる、たいした怪我じゃないんだから。さっさと仕事に戻りな。」

ガープを、目の前から追い出そうとする。
しかしガープは、おつるの前から動かず。

「嫌じゃ!」

傍にいようとする。
それに、堪えきれなくて。思わずガープを感情のまま罵倒しそうになったおつるは慌てて口を押さえ、心を落ち着かせようとする。
だけど。

「おつるちゃんが怪我したのに、しらん顔して仕事に行きたくないわい。
 ・・・・たいしたことは出来んかもしれんが。傍に、おりたいんじゃ。」

こんなことを、さらりと。自然に言うものだから。

「・・・・!?」

別の意味で心を落ち着かせようと、おつるは努めるが。自然に、気遣うように頬に触れてくるガープの大きな手に。

「!?!!」

おつるが、落ち着けるはずもなかった。
しかしガープによって乱された気持ちのせいで、先ほどの苛立ちを綺麗に無くされたことに。真っ赤にされたおつるが気づくのには、暫くどころではない時間がかかることになる。







(いつだって尖った気持ちを問答無用で吹き飛ばす、台風みたいな貴方。)









愛情未満、友情以上な状態ですと。おつるのツンはガープにも発揮されます(笑)
しかし、無意識たらし(爆)なガープだからデレも発揮します。
二度、おいし(殴)








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