(英雄←大参謀←元帥)







海軍本部の食堂に、おつるが足を踏み入れるなり。



「おつるちゃん、これに出てみんか!!」



ガープが一枚の紙を持って、近づいてきた。
ガープが、何に自分を出させたいのか知るために。紙を覗きこんだ、おつるは。

「・・・・美食の町で開催、ミス・コンテスト・・・・?」

書いてある内容を知るなり非常に嫌そうに顔をしかめ、嫌そうに声をだしたあと。見せられた紙を容赦なく、細切れに破いた。

「あー!何するんじゃ、おつるちゃん!?」

その行動に、文句をつけるガープに。

「そっちこそ、私を何に出させようとしてんだい!?」

どう考えても場違いすぎるだろう!?

おつるの雷が、食堂一杯に落ちる。
そうして声を荒げたあとに、おつるは。

「とにかく、私は出ないからね!
 ・・・・だいたい私なんかより綺麗な子は沢山いるんだから、その子達に頼んで出てもらいな!!」

非常に怒った顔をして、ミスコンに出ることを断わり。別の人に頼めと、ガープに言えば。



「?おつるちゃんが一番、綺麗じゃろ。」



さらり、と。ガープが言いかえした。

「・・・・は・・・?」

その言葉に、すぐには反応できず。思い切り、呆けた声をだしたあと。

「・・・・・・・っ!」

言われた意味を理解してしまったおつるは全身真っ赤にして、うろたえ。戸惑ったように、恥ずかしそうに視線を彷徨わせる。
その、照れたおつるの姿を前にして。

「うん、やっぱり綺麗で可愛い!
 そう思うじゃろ、センゴク!!」

ガープは食事をとっていた、半ば傍観していたセンゴクに声をかける。
いきなり、話を振られたセンゴクだが。

「え!?
 あ・・・・・・・そ、そう、だな・・・!!」

常にない様子で照れて慌てているおつるは、確かにこれ以上ないほどに可愛いらしいので。目元を赤く染めながら、たどたどしく同意する。
まさかの同意者に、「ええ!!?」とおつるは裏返った声を出し。先ほどよりも、おつるは盛大にうろたえる。
そうして数分ほど、慌てふためいた状態でいたが。なんとか、落ち着きを取り戻してから。

「・・・・・あ、あんたたち!
 目、悪いんじゃないかい・・・・・・!?」

憎まれ口を、おつるは叩くが。真っ赤になった顔で言ったところで効果はなく、逆に。

「可愛いなあ、おつるちゃん!!」

と、ガープに繰り返されるだけであった。
それに、可哀そうなぐらいに真っ赤になって、目を潤ませ始めたおつるを見かねて。

「・・・・ところで。なんで、お前はおつるさんにいきなりミス・コンテストに出ることを頼み込んでいるんだ?」

助けるように、話をセンゴクは変える。
それに、ほっとしたような表情になったおつるの前でガープは。

「優勝者には副賞で、ワシの大好物の「餅屋」の煎餅1年分が貰えるんじゃ!
 だから、おつるちゃんに優勝してもらって、煎餅分けてもらおうかと・・・・・。」

ものすごく、しょうもない理由を告白したので。



「痛てええええええええええ!!」



真っ赤になった、おつるから。全力のビンタを、食らわされることとなる。







・・・・・・・ガープを殴り飛ばして、最初の目的であった食事もせずに食堂から出て行ったおつるは早足で己の執務室を目指しながら。

(・・・・・あんな、しょうもない理由が元で言われた「綺麗」で。喜ぶなんて、馬鹿じゃないのか私!?)
 
自身の頭を抱えながら、唸る。
でも、ミス・コンテストに優勝できる「綺麗」な人だと想い人に想ってもらえたことに、どうしたって嬉しさが湧くから。

(・・・・・ああ、もう!こんなことで嬉しいなんて、本当、馬鹿じゃないのか私!!)

真っ赤になった顔を隠すようにして、おつるは走りだし。恥ずかしさから逃げだすように、執務室に隠れ込んだ。







(いつだって、惚れた相手に馬鹿みたいに振り回される日々。)









ガープは、素で口説き文句を言う男だと想います。そしてセンゴクは、ドモリながらも口説き文句を頑張って言ってくれる男だと想います。
・・・・・・あ、ちなみにこのあと。
食堂での話が尾ひれつきまくって、海軍本部中に「おつるさんがミスコンに出る」って話が巡りまくってしまい。
おつるさん応援団が、そこかしこで結成されたりして、おつるさんが頭を抱えるという暴走続きssを書いても私は許されるのでしょうか・・・!?←無理言うな、そこ










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