(大参謀←元帥)






仕事の話しあいをするために訪れた、センゴクの執務室に飾られた紫陽花を見るなり、おつるは顔を綻ばせ。

「・・・・ああ、もうこの花が咲く時期なんだね。」

小さな花々に、嬉しそうに笑いかける。
花を見て柔らかに笑う彼女に、常の厳しい表情を緩ませセンゴクは。

「・・・・もし良かったら、持っていくか?おつるさん。」

飾られた花を、躊躇うことなく贈ろうとするが。

「いや、いいよ。元帥の執務室にあるものを貰えるほど偉くないからね、私は。」

からから、と。楽しそうに笑い、おつるは断る。
それに残念そうな顔をするセンゴクに、おつるは。

「・・・・今度、あんたと私の空いた時間が重なったら。また、この花を見に来てもいいかい?」

仕事に関係なく、来てもいいかを問うてくるから。

「!いつでも、俺のところに来ていいからな!!」

思わず、大きな声で。うっかり、本音をセンゴクは告げる。
それを、おかしそうに笑いながら。

「空いた時間が重なった時で、いいよ。・・・・でも、ありがとう。」

楽しそうに答える、おつるに。

「・・・・ああ。」

少し気まずそうに、でも、とても優しい笑顔でセンゴクは嬉しそうに応えた。






(紫陽花が招いた、ある意味デートの約束。)







ほのぼの片恋。






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