(ホワイトデーで、若センゴク×若おつる)




基本的に、おつるはイベントに興味はない。
そんなことに時間を割くぐらいなら、読書や鍛錬に時間を割く。
なので先月のバレンタインも、恋人がいるにも係わらず。チョコレートなぞ、贈っていない。
普通なら怒るか、不満だと文句を言うだろうに。しかし恋人であるセンゴクは、それをしないどころか。

「おつるさん。読みたがっていた本が書庫に明日、入荷するそうだぞ。」

おつるの読書や鍛錬に心を配り、優先させてくれる。

「・・・・・教えてくれて、ありがとう。」

変わった男だと思いながらも礼を言うおつるに、嬉しそうにセンゴクは笑うものだから。本当に変わった男だと、おつるも釣られて笑う。
・・・・その笑顔が、希少だと自覚もないままに。恋人の前でだけ、彼女は笑う。
基本的に、おつるは笑わない。いつだって凛として真っ直ぐあるから、冷淡だと一部では称されるのだけれど、センゴクの前では違うので。

「どういたしまして。」

その事実に満たされている男に、不満はない。





(己を特別だと教える笑顔をくれる、彼女といるしあわせ。)






・・・なぜか私が書くセンゴクは、おつるに対して健気な傾向が見られます(爆)







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