(おつる←ドフラミンゴ)






また許可もなく勝手に己の執務室に居座っている男に、とくとくと説教したい気持ちになるが。言ったところで反省するはずがないことは火を見るより明らかなので、言わない代わりに。

「今日は、何の用だい?ドフラミンゴ。」

さっさと、出て行ってほしいために。用件を、おつるは単刀直入に尋ねる。
けれど、嗤うだけで。何一つとして、言葉を発しない男を見て。

(・・・・長く居座りそうな雰囲気だねぇ。)

短くはないつきあいから分かる空気を読み取り、嫌そうにおつるは眉を寄せる。
しかし、いくら問いただしたところで大人しくドフラミンゴが言うはずがないので。思考をさっさと切り替え、見られて困る書類は置いてなかったかと記憶を思い起こしているおつるに。



はらり、はらり、と。



ドフラミンゴは、白い花弁を舞い落とす。

「?何の真似だい?」

床に花弁が落ちる前に、自身の能力を使い、おつるの頭上に花弁を戻し。何度も何度も花雨を降らし続ける意図が分からず、問うが。

「フッフフフ!」

男は、ただ嗤うばかり。
こんな訳の分からない行為につきあう義理はないのだが、舞い踊る花弁が美しいから。

「・・・・一体、何がしたいんだか。」

おつるは、ほんの少し柔らいだ顔で。花雨から逃げ出さずに、ドフラミンゴの奇行を問う。
だけど舞い散る桜の花が、花の雨みたいで好きだと彼女が言っていたのを盗み聞きした男が。

「なーに、ただの気まぐれさ。」

素直に、答えるはずもない。
だから忙しくて何年も好きな桜を見ることが叶わないでいるおつるのためにしているのだと、告げることなぞしないまま。花雨を、戯れ言と共にドフラミンゴは降らせ続けるだけである。






(行為の意図なぞ気づかない彼女に舞い落とす、好意の花。)






ドフラミンゴの能力捏造しています、ごめんなさい(土下座)






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