(英雄×大参謀)
にっこり、おつるは笑って。
「ほら、食べな。」
スプーンに乗せたアイスを、ガープに差し出すが。そのアイスは、見た目が控えめに言っても、怪しかった。
夜闇のような黒と、紫に近い青が交じりあったアイスは毒々しさを感じさせ。食べることを、思い切り躊躇わせるものがあるのだが。
「ほら、さっさと食べな。」
にっこり、目が決して笑っていない笑顔で。仕事を放り出して居眠りしていたガープに、おつるは容赦なく差し出していた。
「・・・・あの、おつるちゃん。ワシ、腹減ってないんじゃが?」
だらだらと、嫌な汗をかきつつ。何とか目の前に突き付けられているものを食べたくない一心で、ガープはそう言い訳するが。
「昼飯も食べずに、寝ていたって報告を青キジから受けているよ。」
おつるは、バッサリと言い訳を切り捨て。食べさせようとする。
しかし、諦め悪くガープは。
「・・・・あー、でも腹減ってないからなあ。」
言い訳を重ねる。
すると、おつるは差し出していたスプーンを。
「あ。」
自分の口に、躊躇わずに入れた。
そんな、あっさり普通に食べたおつるに。
「ちょっ!だ、大丈夫か?!」
慌てて、ガープはスプーンを取り上げる。
しかしアイスなので、もう食べ終わっているおつるに。
「大丈夫か?気分悪くないか?!」
青くなって、ガープは心配している。
しかし、心配されている当人は。
(・・・・大丈夫じゃないものを、気分悪くなるものを。私が食べさせようとしたって、思っているわけだな。こいつ。)
客観的に、ガープを冷めた目で見ていた。
・・・・流石に身体を壊すようなものを、罰として食べさせるわけがない。
色は確かに危険だが、材料は至って普通だから食べても大丈夫なのだが。それを知らないガープは焦って、自分がさっさと食べればよかったと反省している。
その様子を見て、仕事をサボった罰はこれぐらいでいいかと判断して。ネタばれしようとした、おつるの細い身体を。
「なぁっ!」
ガープは、姫抱きし。
「医務室、行くぞ!」
人目なぞ気にしないで、走っていくものだから。
「ま、待て、ガープ!待って!!」
おつるは、必死になって声をかけ。ガープを、止めようとする。
けれど心配で、聞く耳を持っていないガープは医務室まで突っ走っていったため。
「「「「・・・・。」」」」
数多くの海兵たちに、ガープがおつるを抱きあげて走る姿を目撃されることになる。
その目撃された光景で生まれた、尾びれがつきまくった噂に。後日、おつるは非常に大変な目にあうことになるのだが。
「・・・・は、話を聞けぇ・・・・!」
今は近すぎる距離で、心配して走るガープに。おつるは不覚にも心臓を乱され、全身を羞恥で真っ赤にさせられるという大変な目にあわされていた。
(罰を与えるつもりが、思いがけないカウンター!)
31のハロウインアイスネタなので、ハロウインssだと言い張ります(爆)
ちなみにこのssで登場したアイスは「マジカル〜」です。
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