(大参謀←青キジ)






青キジが仕事を抜け出して『昼寝』というサボりをしていると、必ず。

「・・・・青キジ。さっさと、仕事に戻りな。」

おつるが、見つけに来る。
どんなに見つけにくい所にいても、必ず探し出して青キジのところに来るものだから。

「・・・・なんで。
 おつるさんは、俺がサボっている場所が分かるんすか?」

と、尋ねたことがある。
そうしたら非常に呆れた顔をしながら、おつるは。

「あんなに分かりやすい場所でサボっていて、分からない訳ないだろう。」

呆れた声で答えてくれた・・・・が。

(・・・・おつるさん以外に、俺、見つけられたことないんだけれどなあ・・・・・。)

青キジは、おつるの答えに納得いかずに首を傾げる。
けれど、その間にも。

「ほら、さっさと立って執務室に戻りな。
 じゃないと仕事が終わらず、残業になるよ。」

だから。いい加減、起きな!

おつるは、容赦なく言ってくるが。未だ起き上がらない青キジを、乱暴に扱うこともなく見捨ててもいかないので。

(・・・・・優しいよなあ、おつるさん。)

これが他の同僚・上司なら、すでに殴り起こされているか、引きずられていくか、見捨てていかれるかなのだが。

「・・・・青キジ!
 仕事してから、昼寝しな!」

おつるは言葉だけで、青キジの行動を待っていてくれる。

(・・・・・本当。優しいよなあ、おつるさん。)

そう、しみじみと想いながらも。だんだんと、おつるの気配に怒りが交じり始めたので。

「分かりました。起きます、起きます。」

だるだると、青キジは身体を起こす。
そして執務室に、ようやく足を向ける青キジを見届けると、おつるは。



「・・・・・・まったく。困った子だよ。」



疲れた溜め息を落とす。
・・・・・おつるが遠征の仕事を終えて本部に戻ってくる日は何があろうともサボって、おつるが通る道にだけ分かりやすく隠れて寝ていることに。青キジ本人は、気づいていないのだろう。
そしておつるが声をかけたら、無事な姿に目を細め。安心したように頬を緩ませていることも、青キジ本人は自覚していないのだろう。
それが、どういった感情から来ているのか薄々は勘づいているが。

(・・・・まあ、分からないでいてくれたままの方が。青キジのためになるしねえ。)

おつるは、知らぬ振りをしている。
倍ほども年の離れた、しかも将来が有望な者の隣には自分なんぞより相応しい女性がいる。
だから。

(分からない、まま。誰かと結ばれたら、円満なんだけれど。)

今度、お見合い写真でも持っていってやろうか。

そう画策する、おつるだが。それによって、まさか青キジが自身の想いに気づいてしまうことになるとは、この時の大参謀には判らなかった。








(策士、策に溺れる。)













先日、騒いだ本誌の扉絵の情報提供、皆さまありがとうございます(土下座)
お陰さまで青キジ×おつるが私のなかで確定いたしました。
とりあえず片恋スキーなんで、初作は片恋からですが。ちゃんとしたのも、いずれ書きますよ!(いずれって貴方・・・)
・・・・・最近、雑食化してきたなあ私(汗)










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