(英雄←大参謀)






どれほどの功績を、おつるが立てようとも。

「・・・・女のくせに!」

男を中心とした軍社会のなかで、陰口のように。そう、何度も貶められてきた。
だから、その度に。

「それしか、言うことはないのですか?
・・・・・男のくせに。」

嘲り返すように、淡々と返して。おつるは、独り、折れることなく立ち続けてきた。
そんな、ある日。功績を立てたおつるに、1人の男が目をキラキラとさせて感動した声音で。

「おつるちゃんは、すごいな!」

頭が、本当にいいな!

褒めてくれた、その言葉に。おつるは、なんだか目から鱗が出る想いだった。
何故なら、おつるにとって。男は、自分を貶める言葉しか吐かないという観念があったからだ。
だから、ガープのその言葉は。おつるの固定観念を壊す、充分な言葉だったから。

「・・・・・・。」

思わず、言葉を失って。おつるは、呆けたように固まる。
そうして固まっているおつるの肩を、「すごい、すごい」と叩いてくるガープが、この瞬間から。



「・・・・・っ・・・・・。」



おつるにとって、たった独り。意識、する男になった。






(恋をした瞬間。)









おつるさんって、海軍入った当初では冷遇されていたんじゃないかなあと想っています。
実績一杯積んで、中将の地位になってから漸く「女のくせに」って目じゃなくなったのではと考えてます。
まあ、周りがそんな風に出遅れたせいでガープがおつるさんの心を掻っ攫っていったんでしょうが(笑)








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