本部中に轟いた軍医の「おつるさんの猫みみ姿、可愛い」という叫びにより、蜂をつついたかのような騒ぎが勃発するなか。

「静まらないか、バカ者ども!!!」

一人、懸命に騒乱をセンゴクは収める。
しかし、いかにセンゴクとはいえ1人での事態沈下は難しく。
いまだに、大部分は軍医の言葉を確認しようと仕事を放っておつるを探しに走るもの、おつるの猫みみ姿を想像して真っ赤に悶えて仕事に手がつかないでいる者などがいたるところにおり。

「・・・・・仕事にならんな。」

センゴクは苦虫を噛み潰した表情で、忌々しげに零す。
そんななか、でかいたんこぶを頭につくった軍医がセンゴクの元に駆けつけた。

「いま、いいでしょうか?」
「なんだ?」
「・・・・センゴク元帥、おつる中将が会議室に来てほしいそうです。」
「!そうか、分かった!」

おつるからの伝言を聞くやいなや、センゴクは全力で走りさる。その背中を見送りながら。

「元帥、あの可愛らしさに耐えられるかなあ。」

残された軍医は、無理だろうなあと続けたあと。きっと俺みたいに、おつるさんから「正気に戻れ」って殴られるだろうなと確信していた。
・・・・・そして、その軍医の考えは寸分たがわず当たることになる。
会議室に入り、おつるの猫みみ姿を見たセンゴクは真っ赤になって撃沈し。何を言っても、動きはしないので。

「〜〜〜〜!!」

容赦なく、おつるから拳骨をくらい。

「頼むから、正気に戻って私の話を聞け!」

強制的に、目を覚めさせられることになる。






(その可愛らしさを見て、最初から耐えきるのは無理です。)






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