(剣士×音楽家?)
ぽかぽかと暖かい、陽気な日差しの下。
寄り添いあうように、芝生がある甲板に座っているのはブルックとゾロの2人で。その在り方は、まるで恋人同士のよう。・・・・だけど。
苦虫を噛み潰したように、眉間をしかめているゾロと。所在なさげに、自身からゾロの服の端を掴んで傍にいるけれど手を放したそうにしているブルックの様子からでは、到底、甘い関係の甘い時間には見えない。
ならば、何故2人がこんな状態で共にいるかというと。
・・・・怪我をして手当てしても、すぐに動きづらいと包帯を外し修行をするゾロに。ついに怒ったチョッパーが。
「ちゃんと治るまで、外させないからな!!」
強硬策に、打って出たためである。
そうしてゾロが包帯を外さないように、先程まで怪我に触らないようにしてチョッパーがゾロの右手にしがみついて外せないよう邪魔しつつ見張っていたのだが。
船の見張り番の時間がきたために、ブルックに頼みこんだのだ。
「俺の代わりに、ゾロが包帯外して修行しないように見張っててくれ!!」
その頼みを、ブルックは快く引き受けたのだけれど。
「じゃあ、頼むな!」
そう言って。チョッパーがしがみついていたゾロの右手をブルックに差し出して、ブルックの手に繋がせようとしたことに。
おおいに慌てたのは当事者たちで、手を繋がなくても大丈夫だと言い張ったのだけれど。既に前科のあるゾロに対してチョッパーは信用せず、言い分は却下された。
だけど諦めきれない当事者たちは、チョッパーに妥協案を出した。
それは包帯を外そうとしたり、修行をやりに行こうとすればブルックがゾロの服を引っ張って止める。・・・・ということで、チョッパーになんとか納得してもらったのが先ほどのことであり、今の状態である。
・・・・・しかし時間が経つにつれ、だんだんと二人、気恥ずかしくなってきて。それを誤魔化すようにゾロは顔をしかめ、ブルックは服を掴む手を放したがっている。
だけど、どちらからも『傍から離れたい』という言葉が出ないでいるのはチョッパーの心配と頼みを無碍にできないからというのも、もちろんあるのだろうが。
しかめっ面をしていながらも、どこか嬉しそうな雰囲気を隠し切れていないゾロと。
ゾロの服の端を掴んでいるブルックの手がほんの時折、服でなくゾロ本人に触れたそうになることに慌てるブルック本人が『傍から離れたい』と思わないからだろう。
けれど互いに気恥かしさから、互いの目を合わせることをしないでいるから。どうしたって二人、そんな相手の様子に気付けないでいる。
・・・・・もし、目を逸らさなければ、きっと気付けるはずなのに。そうすれば相手の、自分への想いを知ることができるはずなのに。なのに、それが出来ずに、ただ、じっと寄り添いあうのは。
傍にいる人が好きすぎて、傍にいてくれることがしあわせすぎて嬉しすぎて、でもだからこそ傍にいることが恥ずかしすぎて。どうしても想い人を見ることができないという何とも初々しいもので。
・・・・・・見ていて、じれったいほどである。
けれど、そのことを指摘する者がいないから、いつまでたっても二人、目を合わせることも気付くこともできないまま。ただ、想いあって寄り添いあうから。
・・・・・・見ていて、じれったい時間が。既に成就されている恋に全くもって気付かないで傍にいる二人の、見ていてとてもじれったい時間だけが積もっていく。
(・・・・・頼むから、誰か気付かせてあげて!!)
お、遅くなりまして申し訳ありません(土下座)
頂いたリクが藻骨だけでしたので、私の好きなように書かせていただきましたがこんなんでよろしかったでしょうか?もし、気に入らないようなら書きなおしいたします。
このような作ですが、リクをくださった方のみ、この話をお持ち帰り可です。(返品も可です)
リク、ありがとうございました!!
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