(ヨーキ×ブルック)







ふんわりとした小さな花弁が寄り集まった白の紫陽花を、満面の笑みでヨーキは差し出し。

「受け取れ、ブルック!」

断定口調で、ブルックに渡してくる。
花を贈ってくるなんて珍しいなと想うと同時、なんだか嫌な予感がするので。

「ありがとうございます。では、これで。」

ブルックは、さっさとヨーキの前から居なくなろうとしたのだが。



ガシッ



怪しいぐらいに、ニコニコしている男は。逃がすものかと腕を掴み、ブルックを強制的に留まらせる。
みしりと嫌な音がするぐらいに、強く掴んで逃がさないヨーキに。嫌な予感は、ますます深くなるばかりなブルックに。

「じゃあ、式あげるぞ!」

理解不能な音を、ヨーキは落とす。
言っている意味が全く分からないから、混乱して動くことが出来ずにいるブルックの前で。

「病める時も、健やかなる時も。俺の傍にいて、俺を愛することを誓うよな、ブルック!」

さらり、と。自己流に変えているうえ疑問文にもなっていないが、まごうことなき結婚の誓いを紡ぐ。
唐突すぎて、言葉もないブルックに構うことなく。

「俺は病める時も、健やかなる時も。お前の傍にいて、お前を愛することを誓う。」

真面目な顔で、誠実な声で。誓いとともに、ブルックにキスを落とす。
そこまでされて、ようやく今の自分に起こった出来事に慌てて。不意討ちすぎる結婚式もどきにツッコミをしようとブルックは口を開きかけたが。

「ブーケしか用意出来なくて悪かったな。」

ほんの少し、申し訳なさそうに。ヨーキが先に、口を開く。

「・・・・確かに遠くから見たら丸い花は、おおらかに判断したらブーケに見えなくもない・・・・・いや、見えないでしょう普通!?」

検討違いなことを謝ってくるヨーキに、頭を抱えてツッコミしてくるブルックを無視して。

「じゃあ皆に結婚したって言いに行くぞ。」

クルーたちの前に、ヨーキは行こうとするから。

「いってえええ!!」

全力でブルックから殴られることになる。
しかし先日、寄港した町でブルックをナンパし押し倒しまでした男がいたために(ちなみにその不届き者はブルックが張り倒した)。
もてるブルックに不安になり、恋人より確かな関係の夫婦になりたかったヨーキが、殴られたぐらいで御披露目を諦めるはずもなく。

「・・・・。」

非常に不貞腐れた顔をした嫁を隣に侍らせ、ズタボロな有様でクルーたちにしあわせ自慢する旦那の姿が見られることとなる。







(結婚した者勝ちだと言わんばかりに、先手必勝した馬鹿に。それでも惚れているから、離婚しない彼も大概である。)









なんだかヨーキが、おバカな子ですね!←書いたの貴方です
ちなみに紫陽花ってブーケに見えると思うのですが、それって私だけですかねえ?←うん←ええー









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