作戦Aの続き?で「惚れろ!!」







ゾロをいい人だと、頼れる人だという認識をしているブルックは、よくゾロと話す。
だから、このときもそうだった。いつもの、たわいない会話のはずだった。・・・・・のだが。

「・・・・・すごいですね、ゾロさん!私、惚れてしまいそうです!!・・・・ヨホホホ、スカル」

賛辞とともに軽口も混ぜて。冗談で終わらせようとしたブルックの言葉を。

「いまの、言葉。二言はねえな。」

割りこんで、言質をとろうとするゾロの眼光は。いつになくギラついて、飢えていた。

「・・・・え、と。どの、言葉、でしょうか?」

その常にない様子に引きながらも、聞き返すブルックに向けられるのはひどく楽しそうな、そして切羽詰まった笑みで。思わず逃げ腰になったブルックに、かけられた言の葉は。

 

「・・・・『惚れた』ってのは、二言はねえな・・・・?」

 

とんでもないものだったので、ブルックは全力で逃げだそうとしたのだが。・・・・・そこは見透かされていたのだろう。

がっちり、と。

両腕を捕らえられてしまい、逃亡は阻止されてしまった。

「いやいやいやいやいや!『惚れそう』であって『惚れた』ではないですから!!なので、ちょっと、お、落ち着いて!!!・・・・ち、近い、近いですから!!?」

言い訳すればするほどにブルックの腕を掴む力は強まり、そして、まるで口づけを落とすかのように近づいてくる距離に。ブルックは情けない悲鳴を上げて、身を固くするが。

 

「落ち着きなさい、この馬鹿!!」

 

苛烈な一撃を、ゾロの頭部に与えて。ブルックから引き離してくれた、救いの手が入った。

「ナ、ナミさん!」

痛そうに頭を押さえて、しゃがみこんでいるゾロを背にしている救い主に。感謝の言葉を、述べようとしたブルックだが。

 

「アンタも、飢えた狼に迂闊な餌をホイホイ差し出さない!!」

 

言う前に。ゾロと同じように、容赦ない一撃をブルックも与えられた。

「・・・・ほ、骨身にしみます。骨、だけに!」

倒れたブルックを、けれどナミは容赦せず。

「いい?!もう、だいぶ煮詰まっているの!追い詰められているの!!こいつは!!!
 だから、すぐ暴走するんだから!少しは考えて発言しなさい!!」

忠告するが。

「?・・・・・はい?」

いまいち、どころかまるっきり分かっていなさそうなブルックに。頭が痛い、とばかりに手をやる。

「・・・・・・食べられてからじゃ、遅いのよ。」
「??」
「・・・・・・・・・・・・・・はあ。本当、なんで分からないんだろう。あんなに露骨で、分かりやすいのに。」
「?????」

鈍くて鈍くて、全然、欠片とも想いが伝わっていないために疑問符ばかりを飛ばす音楽家に。心底、頭が痛いとばかりにナミは手をやる。
そして、いまだに(痛み以外の痛みで)立ち上がれずにいるゾロを見ながら。つい。

「・・・・・もう、諦めたら?」

全く見込みがない『恋』に。余計なことだと分かってはいるが、口を挟んでみたのだが。

「・・・・・・・・。いやだ。」

諦めきれない、と硬い声で切ない返答が得られたので。慰めるようにゾロの頭を一回だけ軽く叩いてから、ブルックをこの場から引き離す。

・・・・あんなにへこんだ姿を想い人の前で晒すことが、流石に哀れに思えたからだ。

そして、連れていく間。『恋愛』に第三者が口だしすることは余計な世話だと分かっているが、それでもナミは何度も何度も言いかけてしまう。

 

頼むから、気付いてやって。そして。

 

(・・・・哀れな剣士に、頼むから惚れろ!!)










結局は、こんな結末な藻骨(爆)
もっと、しあわせ風味にかければいいのだろうけれど苦手です(おい)
↓に、おまけありますので、よかったらどうぞ。










おまけ






「・・・助けないほうが、良かったのかしら。」
「そんな!ナミさん、ひどい!!」
「ひどいのは、あんた!!」

ボカリ!!

「痛いです!!」
「その痛みでイーブンなんだから、受け入れなさい!!」
「??」
「はあ。痛いの、あんただけじゃないってこと。・・・・・分からないんだろうなあ。」
「?????」
「ああ、もう!メンドクサイ!!」

ボカリボカリ!!

「痛いです!!!!!!」
「当然の報いよ!!」

 

(あんたが気付いて、受け入れない限り続くんだから!!いい加減、惚れてやれ!!!!)

 







戻る