(赤髪→骨)
遠くから聞こえる喧騒に。何事かとブルックとシャンクスが振り返り、訝しんでいると。
「イーストブルーのレイリーが、ヒューマンショップで大暴れしているみたいだぞ!」
とんでもない情報が、大声で町中に響きわたり。2人の耳にも、届いてきた。
「「・・・・・・・。」」
海軍本部近くで、騒ぎを起こすという暴挙に。言葉もなく、口をあんぐりと開けて固まる2人の耳に。さらに、届けられたのは。
「海軍からガ―プ准将が、そのせいで出張るみたいだぞ!!」
またしても、とんでもない情報だったので。
思わず、ブルックは自分の首筋を(頬をつねるには、仮面が邪魔で出来なかったため)引っ掻いて。一縷の望みをかけて、今が夢であるかどうかを試してみたが。
「・・・痛い、から。夢じゃないし。」
無常にも、結果は現実であると判明し。暗くなるブルックに。
「・・・・とりあえず。まだガ―プは到着していないみたいだから、何とかなるだろ。」
明るく、慰めるようにシャンクスが声をかける。
「・・・・前向き、ですね。シャンクスさん。」
羨ましいです。
疲れたように、胃の辺りを抑えながら告げるブルックの言葉を。
「・・・・そう、か?」
褒め言葉と受け取ったようで。照れくさそうにシャンクスは笑い、一人、しあわせな空気を纏っていた。・・・・が。
「とにかく。
レイリーさんのところに、加勢を兼ねた状況確認のために私が行ってきます。その間にシャンクスさんは船に戻って、ガ―プ准将が来る事を皆に伝えてください。」
ブルックの、この一言により。シャンクスの纏う、しあわせな空気は砕けた。
「・・・・なん、で?俺も、一緒に行くぞ!!」
取り乱した声で訴えるシャンクスに、ブルックは。
「いえ。シャンクスさんは戻って、伝えてください。」
冷静に、告げる。
・・・・確かに。
ここまで騒動になっているのだから、知らせに行かなくても仲間はすでに知っているかもしれないが。もし、気付かないで知らないままだったら?
確実に、後手に回ることになる。
海軍本部近くで騒ぎを起こしたということで出張るのは全て将校クラスという厄介さに加え、更にあの厄介きわまりないガ―プが来ることを知らないで後手に回ることは致命的にまずいので。
ブルックが言うことは、正しい。
そして自分より強いブルックが戦いに参加し、ブルックより弱い自分が報告に行く行動は間違いではない。・・・・と、理性では分かっているのに。
シャンクスの手、は。ブルックの手を離さない。
まるで、独りいかせることを厭うように。強く強く、掴む手に。
「あの。シャンクスさん?手、を。離して、もらえませんか。」
ブルック以上に、シャンクスのほうが戸惑いながら。
「・・・・、うん。」
ぎこちなく、ゆうるりと離せば。たちまち襲ってくる胸の痛みの答えを、シャンクスは、この時点では持っていなかった。
(好きな人を守りたいのに、守り切れない現実に。自覚してない想いは、傷つく。)
言い訳をする前に謝ります。ごめんなさい(土下座)
・・・・・・・シャンクスのカッコよさとか、強さとか。ほんと、捏造して、すみません。
そして、無自覚初恋の甘酸っぱさが、今回も「一体、何年前の少女漫画だよ」っていう酷さで、すみませんでした(逃走)
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