(海軍+海賊王クルーたち+骨)
大騒ぎしながらの逃走なので、すぐに見つかるロジャー船長救出組に。「静かに逃げようよ」と呆れ顔になるのは加勢にきた仲間たち、「ふざけやがって」と怒り顔になるのは海軍たちであった。
しかし、海軍の怒りも努力も虚しく。仲間を増やしつつ進む海賊たちは、凄まじい勢いで海軍を蹴散らしていき、あともう少しで船に辿りつくというところで。
「・・・・そこまでじゃ、貴様ら!」
「げっ、ガープ!?」
ガープが、またも立ちふさがった。
・・・・どうやら、なかなか起きないガープを実力行使で起こした輩がいたのだろう。ガープの頭には、大きなたんこぶが出来ている。
上下関係が厳しい海軍所属の海兵が、あの場で一番地位があるガープに手をあげて起こす不自然さにおかしさを感じたが。
今まで色々なところで邪魔されてきたので、ざまあみろ、という気持ちのほうがでかかったため、あまり気にせずにいた海賊たちの前で。大きな声で、海兵の一人が。
「包囲、完了です!ガープ中将!!」
「うむ!!」
ありえない、ことをガープに報告した。
しかし、嘘ではない。現に蹴散らしてきたはずの海軍が、いつの間にか逃げ場がないように立ちふさがっている。
「なんでだ!?」と叫ぶ、一人の海賊の声に。
「センゴクの入れ知恵じゃ!!」
胸を張って答えるガープに。
「「「「「「あー、なるほど!」」」」」」
この場にいる、ほぼ全員が手を叩いて納得した。
おそらくレイリーの投げた眠り玉で寝入ったガープのせいで乱れた命令系統を、なんとか正そうとして本部に判断を仰ぐために連絡した海兵がいたのだろう。
それに応対したセンゴク大将が、一般兵に将官のガープを殴り起こさせ。大雑把な包囲じゃなく、緻密で繊細な包囲を今、海賊たちにやってのけたというのが今の状態なのだろう。
それを知り、海賊だけでなく。そのことを知らないで包囲していた海兵も、なるほど、と納得した。
だけど、そんな一様に納得している皆の姿に。
「?なんで、そんなに納得しとるんじゃ?」
一人、首を傾げ。不思議そうにガープは周りを見渡すが。
「・・・・気に。なさらないで、いいですから。」
乾いた笑いで、海兵に宥められていた。
しかし、完全に海軍に包囲されている海賊たちは、納得が終わったあと。そんなガープの姿を忌々しそうに見ながら。
「・・・・どうしますか?副船長。」
一転して、追い詰められた現状に対しての打開策を問うが。レイリーは、すぐには答えられない。
海軍に有利な形の戦況に持ち込まれているうえ、いまだレイリーの背中で寝こけているロジャーを守りきらなければならないために。レイリーも、充分には動けない。
・・・・ある程度の犠牲を覚悟するしかないか、とレイリーが腹をくくると同時。
「うわあああああ!!」
悲鳴、が。包囲している海軍のあちこちであがる。
一体、何事かと目をむく海兵たちの間を、ふわり、ひらり、と。駆け抜ける影は、無慈悲に彼らに銀刃の軌跡を刻みつけ、血に濡れた道を斬り拓いていく。
そんな、余りに突然に起こった惨劇から、いち早く正気に返ったレイリーとガープが。
「ブルックが造った道から、逃げるぞ!!」
「奴らの仲間の奇襲に、動じるな!潰せ!!」
叫ぶのは、同時。
しかし、その2つの声に。2人の配下の者たちが応えるのには、ズレが生じた。
そのため、早く声に応えれた海賊たちの行動により、包囲網は崩れ。一瞬、の遅れで海軍は、またも戦況を覆された。
「くっそおおお!!!」
一人の奇襲のために、海賊たちを逃がす羽目に陥った海軍の必死の抵抗も虚しく。
ほぼ、逃げ出されてしまった状況のなかで、せめて一人だけでも仕留めてやろうという気迫を込め、仲間と交戦しているために無防備に背中を晒していた海賊を狙って放った弾丸は。
「!危ない!!!」
撃った海兵が込めた気持ちを汲み取り、叶えた。
(・・・・・・・・・・重い銃音、軽いバウンド音、重なる悲鳴と歓声は。争乱に呑み潰されることなく、響き渡った。)
・・・・・えらいところでのぶつ切りで、すみません(土下座)
なるべく早く続き、書いてあげます。
戻る