(海賊王クルー+赤髪)






オリジナルキャラが出るので注意!









甲板の隅で、ひたすら落ち込んでいたシャンクスだったが。「副船長たちの姿が見えた」というカリバーの声が耳に届いたので、なんとか気持ちを切り替え、立ち上がった。
そして副船長たちの姿が見えたといった方向に、シャンクスも目をやれば。そこにはピクリとも動かず、ぐったりと仲間に背負われているブルックが、視界に飛び込んできた。
瞬間。



「あ、おい!シャンクス、戻れ!!」



シャンクスは、船から飛び降りていた。
そして後ろから、かかるカリバーの声にも従わず。ひたすら足を動かして、シャンクスはブルック目指して駆けていった。
・・・・そうして辿り着いたブルックは、静かで。何時もの騒がしいまでに、明るい音を纏っているはずの彼の静寂が、ひどく怖くて痛くて仕方なかったけれど。



「・・・・ブルック、は。生き、ている、か?」



みっともないくらいに擦れた声で、シャンクスはブルックの命を問うた。
その問いをぶつけられた、ブルックを背負っている仲間ーエクスーは。

「・・・・生きているよ。ただ、撃たれ所が悪くて気を失っているだけだ。」

シャンクスに、ブルックが生きていることを教えてやった。
それを聞き。少し、だけ安堵した色を顔にのせたシャンクスは。

「・・・・あ。ロジャー船長、無事ですか?」

「「「「「「軽っっっっ!!!」」」」」」

ブルックのときのような深刻さがなく、尋ねてきたので。一同から、ツッコミされた。

「・・・・・・・まあ、いびきして寝ている姿、見たら。ロジャー船長を心配する必要がないって判断するのは分かるけどなあ。」

呆れたように、「もう少し船長も心配してやれ」と告げながら。船長も無事だと、エクスは教えてから。

「・・・・おら、行くぞ。仕返しは、また今度な。」

ブルックや船長が無事だと分かったあとから、じわりじわりと湧いてくる海軍への怒りを隠さないでいるシャンクスに、釘をさす。
その言葉に、不満そうな顔をしたが。二人倒れている状況で、海軍との戦闘続行は無理だと分かっているシャンクスは無言で頷いた。
それを確認しながら、エクスは。



(・・・・ここまで、ブルックに入れ込んでいて大丈夫かね、こいつ?)



動かないブルックを見て、ここまで動揺するのなら。これ以上の深手をブルックが負わされたとき、果たしてシャンクスは一体どうなるのかと、少しばかり危惧を抱いたが。

(・・・・まぁ、いいか。)

あっさり、と。エクスは、思考を放棄した。
そして背負われた、動かないブルックを固い表情で見続けるシャンクスを、ちらりと見ながら。

(・・・・今の気持ちを、もう一度味あわないために。シャンクスが、これから頑張ることだろうから。無意味になる、危惧かもしれないからなぁ。)

エクスは、シャンクスが自分で大丈夫にするだろうと楽観的に結論づける。

(・・・・それにしても。疲れたなあ。)

早く戻って休みたいエクスは、早足でオーロ・ジャクソン号を目指すが。
・・・・船で待っている、事情を知らない仲間に、また説明をしなければならないこと。いまだ追撃をして捕縛を諦めない海軍を、また蹴散らさなければならない羽目になることを。
残念ながら、知るべくもないエクスの休みは、果てしなく遠い。














・・・・なんとか・・・・終わらせました。(がくり)
あとは閑話のほうで、色々と補足して。空島IFに入ります。











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