(骨←赤髪+海賊王)






気配を消し、音を消し。ただ静寂だけを纏い、ブルックがマストの上に隠れるように佇んでいる、その下で。



「・・・・ブルック!ブルック!!ブルック!!!」



シャンクスが、大騒ぎしながら船上を駆けて。ブルックを、捜しまくっている。

「・・・・・・・(汗)」

その姿に。ブルックは、どうしたものかと遠い目をする。



・・・・・・・先日のシャボンディ諸島の騒動以来。シャンクスは、ブルックに対して過保護になった。



少しでもブルックが仲間から頼まれた仕事をもたつけば、慌てて駆けつけてきて、全部してしまう。
少しでもブルックが調子悪そうにしていたら、死にそうな顔で、クロッカスの所に必死に連れていく。
そして、少しでも。ブルックの姿が見えないと、心配して捜しだす行為に。

(・・・・どうしたものか・・・・。)

ブルックは、途方に暮れている。
ブルックが何度「大丈夫だから」と告げても、シャンクスは取り合ってくれず。脆弱な壊れもののように、ブルックを扱い続ける。
・・・・周り曰く、「怪我の心配の反動だから、暫くしたら落ち着くだろうから好きにさせとけ」、と助言を貰ったが。一向に落ち着く気配がないシャンクスに。

(・・・・本当。どうしたものか・・・・。)

好意も心配も、とても嬉しいものだけど。あれほど過剰に向けられると、どうしたらいいのか分からなくて困り果てて、ブルックはシャンクスから姿を隠している。

(・・・・・・姿を隠していても、何の解決にもならないって。分かっては、いるんですけれどねえ。)

頭を抱えて悩むブルックの耳に。



「・・・・・・野郎ども!空島に行くぞー!!!」



ロジャーの楽しそうな声が、船中に響き渡った。
何事だと、皆が声のした方向に意識を向け、足を向けていくなか。
先ほどのロジャーの声により一瞬気配を消し損ねたブルックに、ようやく気付いたシャンクスだけは。ブルックのもとに、足を向けてくる。

(・・・・・・・ええええええええ・・・・・・・・・!!??)

これには、流石にブルックも驚いた。
だって船長の声に、しかもこれから目指す島の名をあげた声に反応せず、マストを登りブルックのもとに来るのだから。心底、驚くしかなかった。
だけど、そんなブルックの驚きなぞ歯牙にもかけず。ブルックの隣に来て、無事であるか確認するかのようにじっと見つめたあとに。

「ブルック。」

心配に彩られていた顔を緩めて、安心したように笑うシャンクスに。

(・・・・・・なんで、ここまで私に良くしてくれるんだろう・・・・・?)

ブルックの裡で、疑問が渦巻く。
確かに先の一件で、身体の一部を欠いたことで周りから心配され気遣いもされているが。だけど、それはシャンクスほどではない。
・・・・だって怪我を負うことが日常でもある海の男なのだ、自分たちは。それ故に怪我をした者のフォローは有る程度しても、それ以上の過剰な手助けはしないでいるのが常であるはずなのに。
あきらかに度を越して、ブルックを過保護に扱うシャンクスに。一体、何でそこまで自分にするのか問おうとしたブルックだったけれど。



「ブルック!シャンクス!空島に行く話しあいするぞ!!」



甲板にいた、ロジャーに声を掛けられたために。慌ててマストから降りて話に加わったので、結局、その日は聞けず仕舞いであった。







(ようやく芽生えた疑問。)










空島に海賊王が行ったことは確かだけれど、それがいつでどうやって行ったかは分からないので完全捏造ですが。
ここから、さらに好き勝手しまくる予定です。すみません。(謝るの早っ)
今回はシャンクスの想い自覚・告白編です。頑張るぞー。











戻る