(骨←赤髪)





男が村長に報告するために村に戻ったあとに訪れた沈黙が非常に、非常に居心地悪く。ブルックは、どうしたらいいのかグルグルしている。
けれど、そんなブルックに向き合い。真っ直ぐに目を合わせて、シャンクスが。

「俺、ブルックが!」

真っ直ぐに想いを、心をブルックに伝えようとする。
けれど、それに慌てたようにブルックは。

「わ、私もシャンクスさんが仲間として、好きですよ!シャンクスさんも、そうなんですよね?!
 嬉しいですよ!仲間冥利に尽きます、ヨホホホ!!」

往生際悪く、熱のこもったシャンクスの想いを見ない振りをして。仲間としての好意の告白だろうと言葉を遮り、まくしたてる。



・・・・だって、ほんの数時間前まで。シャンクスとは、仲間として普通に過ごしていたのだ。



なのに、いきなり違うのだと言われても。どうしたらいいのか全く、ブルックには本当に分からないのだ。
だからシャンクスには悪いけれど、その気持ちを見なかったことにしたいのが偽りざるブルックの心情だ。
しかし、そんなブルックの困り果てた心境からの言葉に。



「・・・・仲間に、普通。キスしたいとか、押し倒したいとかいう想いなんか抱かねえよ・・・・!」



あからさまな欲を抱くのだから仲間との好意とは違う、と。はっきり、シャンクスは言い返す。
その、あからさまな言葉に怯みつつも。

「い、やいやいや!骨だけですし、私!
 だから、何かの想い違いじゃないかと・・・・!?」

けれど、どうしても愛されるなんて難しいだろう、己の外見を分かりすぎるほどに分かっているブルックは口を閉ざさず、まくしたてるのを遮るように。
シャンクスは、ブルックを強引に引き寄せ、骨だけの首筋を隠しているスカーフごと。

「・・・・ぃ、たぁ!?」

噛みついた。
いきなりの思いがけない痛みに、固まって黙ってしまったブルックの首下から、シャンクスは。

「・・・・想い違いなんかじゃない。
 骨だけの身体でも、俺は。ブルックの身体なら、こんなふうに、触れたい・・・!」

否定するブルックの言葉を、否定するために。行動を伴った告白を、重ねる。
そうして積み重ねて、告げられるシャンクスの想いに。ブルックは見ない振りをする事も、否定する事も難しくなっていくけれど。
でも、弱々しく頭を振り。

「・・・・・・・な、んで・・・・。」

力ない、音を震わせ。

「・・・・いきなり・・・・。」

今にも崩れ、壊れそうに。

「・・・・私、なんかに。そんなこと、言うんですか・・・・!」

ブルックは、シャンクスを非難するかのように、詰るかのように。認めがたい、信じがたいと訴える。
・・・・ロジャーの船に乗って色々な場所に行き、色々な人と出会えたことは決して良いことばかりではなかった。
ブルックの骨だけの身体は、やはり何処へ行っても恐れられ、他人から否定されてばかりいた。
その事実は、ブルックに『骨だけの自分は愛されない』のだと信じさせるには充分だった。
だから、例外として仲間の好意は信じられるけれど。でも、それ以外は信じられなくて素直に想いを受け取ってくれないブルックに、シャンクスは少し困ったような寂しそうな愛しそうな表情をし。

「・・・・俺も、さっき想いを自覚したばかりだから。いきなりの告白になって、驚かせて、悪かった。
 でも、こんな稼業だから。何が起こるか分からない海だから言い惜しみ、したくなかったんだ。
 好きだって伝えないまま、終わるなんて絶対に嫌だったから。」

真摯に、熱く。ブルックに、もう何度になるか分からない告白をする。
だけど、これほど誠実に告げられても。やはり仲間という目でしかブルックはシャンクスを見れないし、愛されることが信じられないのだ。
だから。

「・・・・あ、の。ご、ごめん、なさい・・・・。」

申し訳なさそうに、けれど、はっきりと。ブルックは、断りの返事をシャンクスにする。
しかし、シャンクスは。

「あぁ、まぁ、そうだよな。」

あっさり、と。ブルックの断りの言葉を肯定し、受け入れる。
あんまりにも、当然のように受け入れるシャンクスの姿に。想いを何度も伝えられたブルックのほうが、驚き、戸惑っていると。

「・・・・つい、さっきまで仲間だと思ってた奴の告白に。そうそう頷いてもらえるなんて、思ってないさ。」

いまだ腕のなかに捕らえているブルックの、隠されていないもふもふした髪を優しく触れながら。シャンクスは、説明しはじめる。
その説明を、静かに聞いているブルックに。更にシャンクスは。

「だから、今は。断られても仕方ないって思っている。
 ・・・・あくまでも、今は。」

説明、というには過分に含みと熱が込められている言葉を続ける。
そうして腕のなかのブルックと目を、しっかり合わせてからシャンクスは。

「今じゃない、未来。
 ブルックが俺を受け入れない気持ちを、必ず変えてみせるから。ブルックは俺に惚れる日が来るのを、待っててくれよな!」

決して、ブルックを諦める気なぞ微塵もない決意を。満面の笑みでもって、告げる。
けれそ、それを聞かされることになったブルックは。

「・・・・。」

怒涛の展開に、ついていけず。いつまでも、どうしたらいいのかグルグルしていた。








(現状に戸惑う独りと、現実を変えようと決めた一人。)









・・・・遂に!連載開始してから2年経って(死)告白までいきましたよ!(ドンドンパフパフ)
なんだろう、なんだろう。このやりきった感!←まだ、やりきっていません。そこ
私的には、充分すぎるほど満足しています!←満足せんでいいから続き書きなさい、そこ

ブルックへの初・告白なんだからと気合いを入れて、男前シャンクスを書こうとして何回も書き直しした難産ssでしたが。少しでも格好良く思えてもらえたら、いいなあ!(また無理なことを)
そして、ここまで『IF』ssに苦情も送らずにお付き合いしてくださって。皆さま、誠にありがとうございました!!(土下座)
まだまだ両想いまで長いですが(爆)これからも、よろしくお願いします!(深深土下座)








戻る