(海賊王船団+骨)
どんなときでも笑いあって、明るく過ごすのが常の船だけど。『ある時間』、だけ。
クルー全員が一様に暗く沈み、不安に囚われるときがある。
それは、船長がクロッカスの定期治療を受けているときだ。
・・・・クロッカスの腕を持ってしても、治すことは出来ず。ただ、痛みを和らげ進行を遅らせることしか適わない病。
そんな病に船長がかかっていることなど、普段は船長があまりに平然として笑って過ごしているから忘れていられるけれど。
だけど、いま。
そんな船長の姿が、見えないために。
・・・・船長、は長く生きられないのだと。
嫌でも、その事実を思いだす。
だからこそ、早く速く。船長の治療が無事に終わり、元気な姿を見せてほしいと願う時間は重苦しいときで、辛いときで、悲しいときであった、はずなのに。
いまは、違う。
ただ、痛いだけのこの時間に。
最近、仲間になった骨だけの彼の唄が、流れてくる。
その唄は、励ますように、慰めるように、労るように。ただ、ただ優しくクルーたちの心に触れてきて。少しづつ、だけど確実に、不安を和らげていく。
そうなれば、自然、と皆が前向きに思い直す。
まだ、船長は、生きている。
まだ、旅は、終わってなんかいない。
まだ。まだ、このときは続いているのだと。
そう、思える『時間』になれるなんて。
・・・・・・・誰も。考えたことが、なかった。
「・・・・・『音楽』って、すげえな・・・・・。」
ぽつり、と。
誰かが呟いた言の葉に、誰ともなしに賛同し。そうして、流れる唄に、いつしかクルーたちは声を合わせていく。
そうすれば、だんだんと、唄は大合唱に生まれ変わり。
船は、『音楽』で溢れかえるときになる。
その騒ぎに、いつの間にか治療を終えた船長が加われば、いつの間にか宴に変わっていくけれど。
それでも、船から『歌』は終わらない。
(そう。辛いときも楽しいときも、海賊は歌うのだから!)
ロジャー船団のなかの日常一コマ。そして、クルー達が「ビンクスの酒」を覚えるフラグ(爆)
いや、昔の海賊が歌うって言っても酒の席ぐらいだろうから、本格的に歌うことを覚えるのはブルック乗船時からというマイ・設定(またか)
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