(骨←赤髪+花)
ブルックに痛々しい表現が入りますので、注意!
・・・・・シャボンディ諸島で、海兵に負わされたブルックの怪我を。
「・・・・どう、手を尽くしても・・・・・・・・治せない。」
そう、悔しそうに。皆の前で結論を出したクロッカスの言葉にシャンクスの身体は、硬直し。
(・・・・・・・なんでなんでなんでなんでなんでなんで、なおせないって。そんな、ひどいことをいうんだよ?
あんたほどのウデなら、ブルックをなおせるはずなのに、なんでなんでなんでなんで!!!!!!!!)
声にならない悲鳴が、思考を埋め尽くした。
そんな一種の恐慌状態のシャンクスに、クロッカスの言葉に気をとられていたために。クルーの誰もが気付かないまま、クロッカスの話は進んでいく。
「・・・・・ヒビ程度なら、折れた程度なら治せた。
だが・・・・・・・・砕けて、無くなった骨を、再生させる薬も治療もない。」
だから、一発の銃弾が砕いたブルックのあばら骨は。欠けたまま、治らない。
そう、告げたクロッカスに。誰もが、口を開くことなく静寂を生み出す。
そして。
「・・・・・・・一つだけ、幸いなことは。日常生活に支障をきたす部位ではなかったことだけだ。」
暗い顔で、そう締めくくったクロッカスに。シャンクスは、戦慄する。
・・・・・・今回は、あばら骨だったから。まだ、(よくは絶対にないけれど)よかった。
でも、もし。海兵の銃弾が当たったのが、あばら骨ではなかったら?
もし、砕けたのが腕だったら。ブルックは、楽器を弾けない。
もし、砕けたのが足だったら。ブルックは、踊ることができない。
それは、考えたくもないブルックの姿だ。
だって、楽しそうに楽器を弾き。しあわせそうに歌いながら、嬉しそうに踊るブルックが一番だと知っているからこそ、見たくもない姿だ。
そして、もう一つ。本当に、本当に考えたくもないことだけど。
もし、当たったのが頭だったら。無防備な、骨だけの頭だったら。
(・・・・・・・・・・し、んで、いた・・・・・・・・?)
その事実は、酷くシャンクスを怯えさせた。
見習いとはいえ海賊なのだから、死は身近にある。
だけど、今日ほど。シャンクスは、身近にある死が怖ろしいと感じたことはない。
そして自分たちと違って、骨しかないために。簡単に致命傷を負い、かつ砕けてしまえば治す手立てがクロッカスの腕をもってしてもないブルックを、恐ろしいと感じたことはない。
けれど、この恐ろしさを。どうすれば無くせるのか分からないで、立ちつくすシャンクスに。
「・・・・・とにかく銃撃戦になったら、ブルックには控えてもらって。俺たちが、出張ろう。」
いまだ、話し合いをしていたクロッカスたちの言葉が。
「その代わり、接近戦はブルックを頼りにさせてもらおうぜ。
持ちつ持たれつって、やつで。」
光明の如くに、響いた。
(・・・・・そうだ。
戦闘は、控えてもらえばいいんだ!!)
銃撃戦だけでなく、接近戦すらも。
いまクロッカスたちが言うように、持ちつ持たれつではなく。全部、シャンクスが持てばいい。
そうしたら。
(ブルックは、死なない!!)
なんて、名案なんだ!!
希望を与えられた子供のように、浮かれながら。
(だけど、それを実践するには。圧倒的に、いまの俺に力が足りない。
だから、いまは悔しいけれどクロッカスさんたちの言う通りに従って動くしかない。
でも、戦闘中は決してブルックから離れず、フォローに全力を注ぎ戦えば。ブルックが負傷する率を下げることができるから当面は、それで行こう。
そして充分な力を得たら、その時は全部。俺が戦えばいい。)
冷静な大人の判断を、シャンクスは巡させた。
そして、いまだ目を覚まさないでいるブルックが眠る船医室に目をやり。
(・・・・・・必ず、俺は強くなる・・・・・・!!)
シャンクスは、誓う・・・・・・・けれど。その誓いはブルックを『仲間』として見ていないことだと、シャンクスは気付いていない。
仲間であれば、先ほどのクロッカスたちが言ったように『持ちつ持たれつ』で、頼り頼られる関係であろうとするだろうに。
シャンクスは、それを不服とし。ブルックを『戦わせない』ために強くなることを、守ることを誓ったのだ。
その意識の差異を、ブルックの怪我と身体の脆弱さによって覚えた恐怖に、気を取られすぎているシャンクスは。微塵も、自覚できていない。
(・・・・・だけど、強すぎる想いは。もう自覚なしでは、いられないところまで来ている。)
・・・・・最後まで書き上げることを、悩んだ閑話です(告白)
でも、正直な話。私、ブルックが本誌であまり強く書かれないのって、骨だけの身体が原因なのかなって思ってます。
筋肉がないからじゃなくて、骨の身体を守るために防御に比重を置いているから剣技がいまいち鈍いのかなって。
・・・・・・本誌では「牛乳を飲めば治る」って言ってますけれど、その治療法で治せる怪我には限度があるかと。
だから、雑魚とかには『速斬り』で防御を考えずに対処できても、強敵に対しては治療がほぼ利かない身体を守りつつ、攻撃しているのでは?
生きてラブーンと会う、約束を果たしたいから基本無茶しない(仲間がピンチのときはする)でいるのでは?と勝手に推測しております。
・・・・・・だから防御できなかった場合、↑のようになるって話になった訳なんですが。本誌では意外と丈夫な面が多々見られるブルックなので、この閑話の反応が恐いです(汗)
そしてシャンクスがえらい方向に暴走してますので、その反応も恐いです(滝汗)
・・・・・・・・・・・・できたら、苦情は遠回しな物言いでお願いします!へたれですから!!(逃走)
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