・・・・・・・・晴れ渡った空の下。
鍛練を終えたゾロは、サニー号の甲板で、独り、歌い踊っているブルックの元へ行く。
いかに熱中して歌い踊っていても、人の気配に聡いために。近づいてくる人影に、すぐに気づいたブルックが、くるりと振り返ってゾロの姿を視界に入れると。
「・・・・・・・っ!」
途端、固まり。動かなくなる。
昨日、ようやくゾロの愛を受け入れたブルックの、あからさまな「恋人」である自分を意識している姿を見て。ゾロは少し意地の悪い、けれど過剰なまでに熱を込めた笑みを浮かべて。
「来い、ブルック。」
甘ったるく、呼びかける。
だけど、その声と言葉を聞いて。さらに「恋人」を意識してしまったために固まり、動けないでいたブルックだったが。
「ブルック。」
とても楽しげに、とても愛しげに。ゾロが、何度も己の名を呼び続けるから。
「・・・・・・・は、ぃ・・・・。」
うわずった声で、小さく小さくブルックは返事をし。カチカチに固まった足を、なんとか動かして、ゾロの元に行ったと同時。
「っ!!」
ブルックは、ゾロに抱きしめられた。
「あ、あああああの!?」
あわあわ、と。慌て、ゾロの腕から逃げ出そうとするブルックを、さらに強く抱きしめながら。
「・・・・太陽、の。匂いがする。」
紅茶の匂いじゃないなんて、珍しいな。
喉を、かすか震わせて。ゾロは、ブルックを逃がすものかと己の腕に囲い、捕らえたまま会話をするので。恥ずかしくて恥ずかしくて、今の状態から逃げ出したいブルックは。
「〜〜〜!ず、ずっと、外に、いましたから!
で、あの、ゾロさん!離して、ください!」
はっきり、言葉にして言うが。
「?なんでだ?」
不思議そうに、返された。
「な、なんでって!」
「恋人、なんだから。いいだろ。」
さらり、と。寄こされた『特別』に、ブルックは恥ずかしくて嬉しくて恥ずかしくて恥ずかしくて、言葉が出ない。
そうして言葉を失っているブルックの頬に、ゾロは。
愛しげに、口づけを落とす。
「・・・・・・・・・・・・・・・・!
ゾゾゾゾゾゾ、ロ、さん!こ、こ、ここ外!」
頬に触れた熱さに一瞬、思考が真白になり。本当に言葉が失われていたブルックだったが、さんさんと降り注ぐ日のあたたかさ、穏やかに寄せる波の音で正気に返され、抗議するが。
「ああ、そうだな。」
聞いているはずなのに、聞いてはもらえず。ゾロは頬だけでなく目尻・首筋・顎・額と、次々にブルックに口づけていく。
だから。
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜そ、とでは!しない、でください!」
泣きそうに震える声で、再度ブルックが抗議すれば。
返ってきたのは、満足そうな獣めいた笑み。
その表情に、ビクリ、と震えたブルックを宥めるようにゾロは、ブルックの背をあやすように撫で。頬に優しげに己の唇を落とし、触れたままで。
「外、じゃなかったら。いいんだな。」
心底、楽しそうな声で。告げられた言葉に、ブルックはまたも思考が真白になり、言葉も失う。
そうして、カチリ、と。固まって、動けないでいるブルックを好都合とばかりにゾロは抱きあげて、己専用とかしている鍛錬室に足を向けた。
えらいところでブツ切った一部掲載で、すみません(爆)
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