(布骨)
ゴロゴロ、と喉を鳴らすご機嫌な大型獣のようにヨーキは、しあわせに惚けた顔をして。
「・・・・・・『恋人たちの聖夜』っていうのは、いいもんだよなあ。」
噛み締める、ように零す。
そしてヨーキの腕のなかに納められ、抱きしめられているブルックは。
「・・・・・・・・・・・・。」
ギリギリ、と歯を食いしばって羞恥に耐えている。
「何しても、許されるものなあ。」
にこにこ、と告げるヨーキに。全身を赤くしたブルックは、言いたいことだらけだが。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
今日が『恋人たちの聖夜』なので、頑張って口を閉じている・・・・が。
「なあ、なあブルック。つぎは。」
「人前で手を繋ぐのも、ご飯食べさせるのも、抱きしめられることもさせておいて!まだ、要求する気ですか貴方!?」
止まらないヨーキの要望に、ついに我慢できずに叫ぶも。
「?だって全然、足りねえぞ。・・・・・・普段、お前がさせてくれないからな。」
「〜〜〜〜〜〜〜!!!!」
そんなの当たり前だ!、と叫びかえしたいところだが。それを言えば、言い返され喧嘩になるのは火を見るよりも明らかなので。
(今日は、喧嘩は、ダメ。今日だけは、喧嘩は、ダメ。今日ぐらいは、我慢、我慢です、私!!)
必死に己に言い聞かせるブルックに気付かないヨーキは、暢気にブルックを抱きしめ。キスを落としながら。
「・・・・・・しあわせだなあ。」
のんびり、零す傍。
(我慢、我慢我慢、がまんです!!!)
殴り倒して逃げたい気持ちを、恥ずかしくて死にたくなる気持ちを宥め。落ち着かせようと頑張っているブルックの苦難は、まだ続く。
(照れ屋な恋人と、マイペースな彼が過ごす聖なる夜。)
・・・・ちなみに。公道で、このやりとりしていますから!このバカップルめ!!←書いたの貴方です
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