(剣士×音楽家)
ゾロから一緒に過ごそうと誘われた23日、当日。
いつも通り、楽しそうに、しあわせそうに笑っているブルックに対して。いつも以上に固くなって、緊張しているゾロがいた。
・・・・どうして、そこまでゾロが緊張しているかというと。初めて出来た恋人に、初めて贈る品があるからだ。
そのためにブルックに隠すようにして持っている、小さな黒い箱を。どのタイミングで渡せばいいのかと、なにせ初めてなことなのでグルグルしているゾロを珍しく気づかないブルックは。
「ゾロさんと、一緒にいれて嬉しいです!」
にこにこ、と。しあわせで仕方ないと言わんばかりの笑顔で、ゾロを喜ばせることばかりを紡ぐから。
「・・・・っ。」
余計に、ゾロがプレゼントを渡すタイミングを見失わせている。
けれど、いつまでも渡さないわけにはいかないから。覚悟を決めたゾロは、ブルックに、まるで押し付けるかのように黒い箱を差し出して。
「やる!」
ぶっきらぼうに、愛想の欠片もない。でも耳まで真っ赤になった、照れまくった表情で、ようやくブルックにプレゼントを渡した。
そして、いきなりのプレゼントに驚いているブルックに構うことなく。
「ら、来年も、再来年も!ずっと一緒に過ごそうな!!」
ゾロは、ブルックを抱きしめて。これからも変わることのない恋人として過ごそうと、叫ぶ。
その言葉に、ずっと一緒に過ごそうと言ってくれた恋しい男からの言葉に。
「・・・・は、はい!」
いまだクリスマスというイベントをよく分かっていないブルックだったが、嬉しくて嬉しくて。しあわせに笑って、泣きそうに頷いた。
それにゾロも、しあわせに笑い返してから。互いに赤い顔で誓いの、約束のキスを交わした。
(イベントの意味なんて分からなくても、恋人の言葉の意味が分かれば。それだけで充分以上に、しあわせです。)
・・・・この時ゾロに言われた、本当の意味を知ることなく23日は終わって。
皆で祝いという名の騒ぎの宴に意味をブルックは誰かに教えてもらって。真っ赤になって、おたおたして、今さらのようにゾロに恥ずかしがっていたらいいです(言い逃げ逃走)
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