1 発端
開け放った窓から入る落ちついた日差し、かすか物寂しさを運ぶ風に細い身体をさらしながら。おつるは、眼下に広がる海を見やる。
・・・・現在、己の執務室にいる2人の男と向き合いたくない、逃避行動であるとは分かっているが。
本当、関わりたくないのだから仕方ないではないかと言い訳めいたことを、おつるは内心で吐き捨てる。
けれど、逃げてばかりいても問題は解決しないから。ひとしきり海で心を癒したあと、おつるは覚悟を決めて2人の男に向き合う。
「・・・・ん?おつるちゃん、海見るのは、もういいのか?」
バリバリと煎餅を食べながら、豪快に笑い、問うてくるセンゴクと。
「・・・・すまん、おつるさん。負担をかけている。」
眉間に深く縦皺をよせ、申し訳ないと真面目に頭を下げ謝罪するガープに。向き合うと決めた覚悟は、ありえない様を見せる2人によってぐずぐずと崩れ落ちそうになるが。
「・・・・ガープの意識がセンゴクの身体に移り、センゴクの意識がガープの身体に移っている。
これに、間違いはないんだね?」
なんとか崩さず、纏めたまま。おつるは、確認をとる。
2人は間違いないと頷き、それを確認してからおつるは。
「・・・・なんで、そんな、ややこしいことになっているんだい・・・・!」
心底やりきれない、切ない声で。耐えるよう眉を寄せて、精神が入れ替わった2人を見るのが苦痛だと言わんばかりに目を閉じて問う。
その問いに、センゴクの身体に入ったガープは豪快に笑い。
「分からん!」
胸をはって、答えにならない答えを告げ。
ガープの身体に入ったセンゴクは、記憶を探るように考えこみ。
「・・・・コング元帥に報告しに行った帰りの廊下でガープと会った瞬間に、こんなことになったんだが・・・・。
俺のほうは、ここ1週間本部に詰めていたから部下たちと同じものしか口にしていないし、触れてもいない。
もし俺のほうが原因ならガープより先に部下たちと意識が変わるのが自然だし、また部下同士でも同じ目にあっているはずだが今のところ、そんな報告はあがってきていない。
・・・・ガープ、お前、本当に心当たりないのか?」
暗に、お前が原因ではないかと疑いの目を向ける。
それに心外だと、センゴクに食ってかかるガープを見ながら。
「・・・・もうヤダ・・・・。」
心底、ぐったりと力なく額を押さえ。おつるは違いすぎる2人を見ていられなくて、再び海に目を向け逃避した。
(違和感が酷すぎて、逃避しか出来ません。)
タイトルが全てを物語っている本です(笑)
かすかに、センつる要素が交ざってますが基本ドタバタで、ギャグオチです。
少しでも笑ってもらえると嬉しいなv
そして、この委託本と一緒に「ハロウインネタ」ペーパーssも配布する予定です。
こちらはドフラミンゴ+青キジによる、おつる愛されssですが。所詮すみれが書くものなので「ハロウイン」と「愛され」が斜めな着地をしております(所詮て、あんた)
斜めなものはちょっと、と言われる方は受け取り拒否も可能なので安心してください(爆)
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