(剣士×音楽家)







一行が辿りついた無人の小さな春島では、薄紅色の可愛らしい花々が競い合うように咲き誇り、島全体を甘く染め上げて。豊潤な香りにて空間を彩る様は、まさに爛漫なる浮き世の如く。美しい。
そんな綺羅なる風景にクルーの誰しもが目を奪われて、散策を楽しんでいるなか。一人、花々に目を向けることなく困り果てているのはブルックだった。


「・・・・あの、ゾロさん。」


情けなく、うわずった声で。


「手、放してもらえませんか。」


居心地悪そうに、ブルックはゾロに訴えるが。


「迷ったら、困るからな。」


ゾロはあっさり言い切り話を終わらすので、必死にまたブルックは訴える。


「いえ、皆さん一緒にいらっしゃいますから!ゾロさんが迷子になる心配はないですから!!だから、手を繋がなくても大丈夫ですから!!」


いたたまれなくて、恥ずかしすぎて叫ぶブルックの左手は、指と指をしっかりと絡めた状態でゾロの右手と繋がっていて。
その現状を見守る周りからの生温かい視線に耐えられなくなっているブルックを、だけどゾロは一向に意に返さず。


「次、あっち行くぞ。」


自身が行きたい所に、ブルックをともに連れていく。


「話、聞いてくださいよ!」
「聞いてるぞ。・・・・ただ、聞き入れてないだけだ。」
「いや、聞き入れてくださいよ、そこは!」


暖簾に腕押し。何を言っても無駄な気がしてきたけれど諦めきれず叫ぶブルックを、上機嫌に連れまわして歩くゾロに。周りのクルー達の、疲れたため息が交わされる。











(行動で示す『特別』は。桃に負けない甘さで、あてられる。)















53巻を読んだ反動話ともいう(爆)
おもしろかったんだけど、おもしろかったんだけど!!いま、ブルックがまた『独り』になってしまったかと思うと、切なすぎて!!!
せめて、妄想のなかでは皆と一緒+甘くしてみました(死)
恋人繋ぎで歩く藻と骨って、いいですよね!(夢みています)
そして不敵なゾロ×困り果てるブルックっていいですよね!!(まだ言っているマイ一押し)








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