(ゾロ独白)





話の展開上、ここではゾロはブルックのことを『姫』呼びいたしますので、ご注意ください。







追われて逃げる最中に、しこたま打たれた頭のせいで。ようやく、ゾロは。

「・・・・・・・思い、だした。」

自分が抜け忍になった経緯を、ようやく思いだしたのだ。
・・・・・それは、己が受けた忍の任務ーとある城の家宝である『刀』の奪取ーを果たすために、潜り込んだときに出会った姫のためだった。

「・・・・・・・思い、だした。俺は・・・・・。」

変に気さくでよく歌い笑い、そして下男として潜りこんで働いていたゾロ相手にでも丁寧に話しかけ警戒なんぞしなかった、おかしな姫を。任務のために斬り捨てて、『刀』を奪うことができなかった。
そして他の仲間が策略した「姫の一族取りつぶし」を実行させたくないと、姫を悲しませたくなくて裏切り者になったのに。



・・・・・なのに、駄目だったのだ!



任務を捨て、里を捨て、仲間を捨て、姫のために『刀』を守ろうと策を潰そうとこの身を張ったけれど、力及ばず。命果てようとした。

「・・・・・・俺、は・・・・・!」

だけど、その死の刹那。死霊と『契約』を交わして生き延びたのはいいが無様にも全て忘れ。おそらく俺が抜け忍になったと知らず、まだ敵方の忍だと誤解している姫と敵対して、傷つけた。

「・・・・・・・・っ!」

そんな無様な真似を犯した己に、腸煮えくりかえるほどの怒りを覚える。いますぐにでも、殺したいほどに。
・・・・・けれど。いまは死ねない。だって。

「・・・・・こんど、こそ。」

守るのだから。今の己には妖刀が、それを扱う技量が死霊から与えられて、ある。以前とは、違うのだ。
だから。

「・・・・・今度こそ、守るからな!!」

そのために、いまは死ねない。
それを為すためだけに、いま。己はここにいるのだから。

「・・・・・待っててくれ、姫!」

いま、泣いて悲しんでいるだろう姫のもとに、急ぎ駆けていく。








(・・・・・謝ることも償うことも弁明も、何だってするから。だから、どうか今度こそ守らせてくれ!)










苦情がこないことに、感謝します!!(第一声がそれって・・・・)
とにかくコソコソ活動していく予定です。というか私だけが楽しんで書いているという現実なんで、不快だというお叱りをうけたら即撤退しますので、それまでのお時間、よかったら本当によかったらお付き合いしていただけたら幸いです。








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