(音楽家←剣士+航海士)
一緒にお茶をしていたナミの前で、ブルックが子供のような無邪気さで。
「ナミさんとゾロさんは、お似合いですね。」
唐突、に。訳の分からないことを告げてきた。
「・・・・は?」
あまりにブルックの言いたいことが、分からなさすぎて。間の抜けた声を出すナミに構わず。
「美男美女、で。本当、お似合いです。」
ブルックは、また告げるが。
ナミは、困惑も露に。
「・・・・何、言ってんの?ブルック。」
そう、返すと。
「?だって、ナミさんとゾロさん、付き合っているんでしょう?」
ブルックは、信じられないことを言ってのけた。
・・・・あんなに、あからさまなゾロの視線に言葉に態度に。全く、ブルックは気づいていないと?
思わず表情に、嘘でしょ?、と出したナミにブルックが首を傾げる後ろで。今の会話を聞いてしまったゾロが、頭を抱えて倒れている。
(・・・・うん。頭を抱える気持ちも、倒れる気持ちも分かる。)
思いきり哀れんだ視線をゾロに向けているナミに気づかないまま、ブルックは。
「ナミさんは、綺麗で賢くて強くて素敵だから。本当に、お似合いです。」
ゾロに、とどめをさす言葉を口にしている。
それが、あまりに酷いと思ったナミは。
「・・・・あのね、ブルック。私は、ゾロと付き合ってないから。」
ブルックの勘違いを正すために、言葉をかける。
「え、そうなんですか?」
きょとん、と。心底、不思議そうに首を傾げるブルックは。
「でも、前の島で。2人、お揃いのアクセサリーを買ってたでしょう?
あれ、あの島では確か男が想い人に贈るアクセサリーでしょう?」
自分がナミとゾロが恋人だと思った出来事を、口にした。
それを聞いて、ナミは納得すると同時に。
「・・・・あぁ、あれね。」
どう、説明すればいいのか言葉を探す。
だって、あれは。ゾロがブルックに贈るために買っているときに、ナミと鉢合わせたというのが真相だ。
だけど、それを。ゾロでなく自分が口にしていいものかと悩むナミを不思議そうに見るブルックに、なんとか復活したゾロが。
「・・・・ブルック。ちょっと、付き合え。」
ひどくひどく感情を押さえた、平坦な声をブルックにかけた。
(・・・・あ、ちょっとキレている・・・・。)
関わりたくないなと、少しずつ離れていくナミに気づかないままブルックは。
「?いいですよ。」
簡単に返事を返した瞬間。ゾロに抱きあげられた。
「・・・・・・・・・・へ?」
間の抜けた声を出すブルックを、気にしないでゾロは。
「・・・・・・・・こいつが分かるまで、今日は籠る。」
言外に「だから邪魔するなよ」と視線を寄こすゾロに、ナミはにっこり笑って。
「ごゆっくり。」
巻き込まれないための、薄情な返事をかえす。
それに、酷薄な満足げな笑みを浮かべたゾロがブルックを抱えて消えたあと。一人残ったナミは、すっかりぬるくなった紅茶を口にし。
「・・・・・・平和よねぇ。」
と、遠い目をして言った。
・・・・・・・・だけど、この後。ゾロの前から逃げ出した、上着を脱がされズボンしか履いてないブルックがナミの所に出戻り、泣きつくことになることをナミはまだ知らない。
(束の間の平和。)
でも、この後。絶対に連れ戻しに来たゾロに、ブルックはまた押し倒されて剥かれるに違いな(殴)
言葉で幾ら言っても分からないなら、行動で分かってもらおうかい!って逆切れしたに違いないゾロ、頑張れ!(おい)
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