(三←骨で骨←三)





紅茶を、丁寧に渡して。やわらかく、優しく笑いかけてくれるサンジに。



『愛しています。』



その言葉を、想いを。ブルックは、告げてしまいたい。
けれど、それを伝えてしまえば。今の関係は、絶対に変わってしまう。
良い方に変わればいいが、悪い方に変わってしまえば。ブルックは、きっと耐えられない。
だから、いまの関係を壊さないために。日に日に大きくなっていく想いを、決して言葉にすることなく。

「ありがとう、ございます。」

笑顔で、サンジに紅茶の礼を告げるだけのブルックは分かっていない。
ナミやロビンに向けるのとは違うサンジの笑顔の意味を、紅茶を渡すサンジの手がいつだって緊張して赤くなっていることの意味を。悪い可能性しか見つめていない彼女は、見落として分かっていない。



『愛しています。』



その言葉を、想いを告げたいのはブルックだけでなく。また伝えることで変わる関係を怖れているのも、ブルックだけでないことを。

「ヨホホホ!紅茶、美味しいです!」

自身の想いを隠すことに精一杯になっている彼女は、分からないまま。サンジと一緒に、『仲間』として過ごしていく。








(どちらかが、あと一歩の勇気を持てば『恋人』に変わる未来が待っているけれど。その未来が分からない2人は、今日も恐くて怖くて未だ踏み出せないでいる。)











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