(藻骨←布)





・・・・あの、あと。ヨーキは公言したとおり、ブルックを口説きだした。
仕事中なら遠慮も容赦もなく取り合わないどころか叱責するブルックだが、そこは分かっているのだろう。
一段落した仕事のあとや、仕事に必要な書類待ち・連絡待ちという厳密に言えば仕事中ではあるが、仕事をしていない僅かな時間。



「愛している、ブルック。」



常にない誠実な顔で、声で。本気で、本当の気持ちをヨーキは伝えてくる。
そして、それに対するブルックの返答なぞ端から聞く気もないのだろう。自分の言いたいことを言って、愛しげにブルックの頬や首筋、髪に触れてから。さっさと次の仕事に取り掛かる。
なのでヨーキから言い逃げされている、触れ逃げされているブルックは。告げられる度に、触れられる度に赤みを増す頬を忌々しそうに触れ、気にするな戯れ言だと暗示の如くに己に言い聞かせるも。



「愛している、ブルック。」



その言い聞かせを邪魔するように、ヨーキは図ったかのようなタイミングで仕事を終えてから、ブルックに繰り返し伝えてくる。

「〜〜〜!!!」

既婚者と告げても関係ないとばかりに口説くと宣言した男の性質の悪さに、だんだんと我慢出来なくなっているブルックだが。今のヨーキは真面目に仕事をしているので、手を出せずにいる。

(〜〜〜〜〜本っっ当に!悪知恵だけは働くんですから!!!)

ぎりぎり、と。悔しそうに歯を咬みしめ、苛立ちを殺しきれないブルックは。

(・・・・ああ、目の前の男を殴りたい!叩きのめしたい!!ぶちのめしたい!!!)

キツイ目で、凶暴なことを考えていることが丸分かりな表情でヨーキを睨みつけるが。ヨーキは全くもって堪えてはいない。
それどころか自身に射殺しそうな視線を向ける想い人が、今このとき。怒り故に、左手の薬指に嵌めている『指輪』の相手を頭に置いていない事実にヨーキは満足さえしている。
だから、さきほどよりも想いを込めて。



「愛している、ブルック。」



己だけで満たされている彼女に、愛を紡ぐ。










(怒りであろうが、構わない。お前は、俺だけを考えていればいい。)













見事にゾロが出てこない話です(爆)そして、本当にヨーキが性質が悪いです。←書いたのは貴方です
「略奪結婚しそうだね」って言われたし(吐血)
・・・・・・・・・・・・・・・この話は藻骨なんだから!!(泣きながら逃走)










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