(三←骨で骨←三)
独りで佇んでいる姿を見かければ、声をかけずにはいられない。
歌っている姿を見かければ、見続けずにはいられない。
いつだって意識して、気にして、彼女の姿を俺が追い続けるのは。彼女が、俺の特別だからだ。
・・・・そんな特別な彼女と、最近。なんだか、よく目があう気がする。
いや、俺が彼女をよく見ているから、目が合うと思うんだけど。
だけど、それを含めても。よく、合う気がするんだが。
「・・・・・・・どう、思う?」
そう真剣に、問うてくるサンジに。
「・・・・あー。そうだなあ。」
無理矢理キッチンに連れ込まれ、相談役を強制されたウソップは。どう、答えたものか言い淀む。
しかし、そのウソップの返事に。即答して貰えなかったことでサンジは、もしかしたら勘違いである可能性が高いのではと考えついた瞬間、頭を抱えて。
「・・・・俺の自意識過剰な妄想なのか!いや、しかし!!ああ、でも!!!」
悩みだしたサンジを、ため息一つ落としながらウソップは見つつ。物陰から、こちらを伺っている細すぎる人物を見る。
(・・・・・・・妄想じゃないって。教えたほうが、いいのかなコレ?)
彼女ーブルックーもサンジを気にしているから、特別だと意識しているから姿を追って、視線があうのだと。
今も、頭を抱えて悩みだしたサンジを大丈夫だろうかと。心配して、影から様子を伺っているブルックを。
(・・・・教えて、いいのかなあ?)
どう見ても、両想い同士のやりとりを。第三者が口出しして、いいのかなあと悩むウソップを尻目に。
「俺を気にして欲しいと願う、浅ましい勘違いかあああああああ!!?」
サンジは先ほどより激しく悩みはじめ、床に突っ伏して叫びだし。
「・・・・・・・っ。」
その姿を見て、さらに心配になり。ブルックは、おろおろしてどうしようと慌てているから。
(・・・・黙っていても、収拾つかないから。仕方ないよなあ。)
口を出してしまえば恋愛の厄介事に巻き込まれそうな予感が、しまくっているが。敢えてソレは見ない方向で、ウソップは。
「サンジ、勘違いじゃねーぞ。現にブルックが、そこで気にして心配して見つめてる。」
ブルックがいる場所を指さしながら、教えてやると。
ガバリッ
勢いよく頭をあげて、指差された方向をサンジは見。そこに隠れていたブルックと、目が合う。
「「・・・・・・・。」」
そうして目が合えば、互いに固まり。ピクリとも動かなくなった2人に。
(・・・・・・・えー、と。この状況を、俺、は一体どうすれば?)
収拾をつけるために言葉を告げたウソップは、事態が全く収拾しない現状に天を仰ぐが。
・・・・おそらく、2人だけでは見つめあったまま固まり続け、事態は動かないだろうから。またウソップが口出ししてあげなければ、現状打破は不可能であろう。
(・・・・自分たちで、なんとかしてくれよ。この両想い同士たちめ!)
ウソップ災難話ともいう(爆)
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