(布骨)







「はい。」

ブルックが、当たり前のように差し出す『モノ』に。ヨーキは顔を顰め、受け取らないでいると。

「?はい、どうぞ。」

不思議そうに首を傾げながら、ブルックは再度ヨーキに差し出す。

「・・・・・・なあ、ブルック。これ、どうした。」

ブルックの手にあるのは、先ほど通りかかった店に飾ってあった溢れる輝きに満ち満ちた宝飾で。それを購入した気配がないのに、手にしているブルックに問えば。

「欲しそうに貴方が見ていたから、とってきました。」

悪びれることなく返ってくる返答に。ヨーキは、こめかみを押さえる。
・・・・確かに、ブルックに似合いそうな装飾だな、と思って熱心に見ていた記憶はあるが。でも、それだけでとってくる彼女に頭が痛い。
以前は軍人をしていたためか、なかなかに頭が固い事を言っていたのだが。



「そんなんじゃ、立派な海賊になれないぞ!」



と、誰かが囃したてて以来。ブルックは立派な海賊になろうと努力している。
今回も、それだろう。

『欲しいものは、奪う。』

それが海賊だと教えられたから、それを忠実に実践し。立派な海賊の行動をした、と思っている目の前の彼女に。

「・・・・・・・・・返してこい。」

重いため息をつきながら、ヨーキは告げる・・・・が。

「?何でですか?」

心底、不思議そうに首を傾げながら。ブルックは、手にしたものをヨーキに差し出し続けるから。

「・・・・とったものなんて、いらねえよ。」

ヨーキが、受け取らない理由を言う・・・・・・が。

「・・・・・・・・・。
 じゃあ、これ、貰いました。」

さ、どうぞ。

さらり、と。何が何でもヨーキが欲しい(とブルックは思っている)宝飾を、差し出し続けるから。

「・・・・・・・。」
「・・・・・・・いひゃいです。」

ヨーキは無言でブルックの頬を引っ張った。
そして、そのあと。ブルックがとったモノを、店のヒトに頭を下げながら金を払ったが。

「・・・・・・・。」

その行為を。不思議そうに見続けるブルックに、心底、ヨーキは頭が痛かった。








(・・・・・でも馬鹿な子ほど可愛いと、つい、うっかり思ったのは事実である。)










ちょっとブルックさんがアホの子すぎたかな?(汗)
・・・・ま、まあ頑張っている最中だと言うことです。はい。(滝汗)










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