(布骨)




注・「シャム猫」設定のブルックです。







2人で訪れた服屋にて。
上機嫌で女物の服を物色しているヨーキは、たくさんの色とりどりの服に戸惑っているブルックに。

「ブルックは、どんな服が好きなんだ?」

楽しげに、問う。
しかし基本的に身につけるのは軍服か、シンプルな男物で女物を敬遠しているブルックに。その質問は、ひどく答えにくく、ひどく難しかったから。

「・・・・・・・・・・・・・・青色、以外で。スカート、じゃない服がいいです。」

嫌いな服、じゃなければいいと伝える。すると。

「じゃあ、この服なんかどうだ?」

渡されたのは薄紅色をしたニットセーターに、黒のミニズボンだった。

「・・・・・・・。ズボン、短すぎませんか?」

丈なぞ、ほとんどないに等しいズボンに思わず文句をつけるブルックに。

「脚、すらっとしているから似合うって!!」

ヨーキは力説して、半ば強引に試着室へとブルックを連れていく。

「ち、ちょっと!?」

着ることを了承していないのに、試着室に連れていかれるブルックは焦った声を出すが。

「とりあえず、一度、着てみたらいいだろう?それで気に入らなかったら、他の服にしたらいいしな。」

ヨーキは気にせず、連れていく。そして。

「着替え終わったら、呼んでくれ。」

試着室にブルックを押し込む、その勝手さに。ブルックは呆然とするが。
しかし、この服を拒否しても。「じゃあ、どの服がいいんだ?」と言われたら返す言葉がないので、試着室に入れられたブルックは、ため息一つ落として諦め。
恐怖回避のために着ていた軍服から、素直に渡された服に着替えはじめた。

・・・・・しかし、何故、諦めて着ることができるのか。ヨーキの言葉だけは、何故、素直に受け入れることができるのか。

自身の想いを、まだ自覚していない・・・・・というか分かっていないブルックは。着替えながらも、素直な自分の行動が不思議で仕方なかった。



・・・・・そして、数分後。


ほっそりとした身体のラインを見せる薄紅色のニットセーター、すらりとした足を惜しげもなく晒す黒のミニズボンを身に着けたブルックを見て。

「似合う、似合うぜ!ブルック!」

鼻の下を伸ばした、だらしない笑顔で喜んでいるヨーキにブルックは非情に冷たい目を向けながらも。着なれていないせいか、とにかく違和感が酷い服にブルックは、気持ち悪さを堪えていた。
なので、何回も試着して気に入る服を探すことなぞ絶対耐えられないので、もうこの服でいいと決めたブルックは。

「・・・・お詫びは受け取りました。なので、私が付き合うのは、ここまでです。失礼します。」

ヨーキとの付き合いは、これで果たしたとばかりに、さっさと帰ろうとするが。
喜び浮かれているヨーキは、けれどしたたかに。

「なあに言ってんだよ。男が女に働いた無礼の詫びが、それだけで済むはずないだろう?だから、今度は飯でも奢らせてくれよ。」

ブルックを、逃がそうとはしない。

「・・・・別に。そこまでしてもらう必要はありません。」

またまた予想外の言葉を貰い、困惑しながらも。つれない態度で、ブルックは拒絶するが。

「遠慮するなって!今回は、俺が全面的に悪かったんだからな!」

ニコニコ、と。顔をクシャクシャにして笑う男に。
必要ない、もう帰る、と。告げようとしたのに。

「・・・・・・・・・・。ご飯は、いいです。
 お茶、飲みたいです。」

いまの自分の体調を省みて、妥協案をまた。口、が勝手に紡ぎだす。
その、自身が出した言葉に。気持ち悪いから、早く帰って着替えたいブルックの心は、また驚き、固まるが。

「じゃあ、行こうぜ!!」

それを聞いて、さらに弾んだヨーキの声や笑顔を。失くす言葉が、何故かでないブルックは。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・本当。馬鹿、みたいな笑い顔。」

最後の抵抗とばかりに。またも、つれない言葉で応じるが。
けれど、いつだってヨーキの笑顔を大事にする彼女のいじらしさを分かっている男は。ただ、笑って受け入れる。
そして、そんな男の傍を。どんなにつれない言葉を吐いても、決して離れないでついてくる彼女を。

(・・・・キスして、抱きしめて、押し倒してえなあ・・・・・。)

欲に塗れた思考で想うが。まだ手をだすには早計だと、ぐっと堪えて。
ヨーキは、ブルックをエスコートした。











(・・・・・だけど、いつか必ず実行しようと男が虎視眈眈と狙っていることを。自身の『想い』に戸惑っている彼女は、まだ気付いていない。)











・・・・・・ま、また続いてごめんなさい。でも、なんとか「女性の格好」というリクは、なんとかここでこぎつけれました!
というか今回は、ブルックさん本人は無自覚な、ヨーキ船長の笑顔に弱い、ということを。船長自身が知ってしまったための確信犯なせいで、性質が悪い(死)

悪い男に捕まっていますよ、ブルックさん!←書いたの、貴方ですから

それとブルックさんの今の恰好は、ナミがスリラーバーク編で着ていたピンクのニットセーター(で合っているよね?)と黒のスカートを参考にさせていただきました(あの服、可愛くて好きです)
誠に申し訳ないのですが、次回で終わらせますのでもう少しだけお待ちください(土下座)










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