(音楽家←剣士)






夜空を流れ落ちて、消えていくヒカリを前にして。

「流れ星が消える前に、願うごとを3回言ったら叶うそうですよ。」

楽しそうにブルックは言う。けれど、傍にいたゾロは興味なさそうに。

「・・・・星に叶えてもらう願いなんかねえよ。」

ばっさり切り捨てる。
ゾロさんらしい、と笑うブルックに。

「お前は叶えたい願いが、あんのか?」

ゾロは問う。
それに、ふむと首を傾げ考えはじめて暫くしたあと。

「叶えたい願いはありますけれど、それは自分で叶えたいものなので。星の美しさだけ、楽しみましょうか?」

ブルックは、ゾロと同じ答えをだす。
その返答に、ゾロは満足そうに笑って。

「ああ、いい酒の肴になりそうだな。」

寒さのなか、また薄着でいる細すぎる体を抱きよせて。

「じゃあ、飲むか。」

夜空の煌めきと腕の中の愛しさを肴に、杯を手にした。
そして、すぐに離してくださいと叫ぶ悲鳴は唇で飲み込んだ。





(・・・ああ、いい夜だ。)









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