(剣士+音楽家)
注意!キャラに怪我表現あり!!
それ、は戦闘中に起こったことで。
それ、によりゾロはキレた。
・・・・・・そして、戦闘がゾロの一方的な勝利で終わったあとに。
「牛乳を飲めば、骨は治りますから!」
そう言って、ゾロに笑いかけたブルックの身体からは、骨が。一本、無くなっていた。
「大丈夫ですよ、だって私、こんなに元気です!!」
くるくる廻って動いているブルックの身体は、血を流してはいない。だけど斬られた傷は、失った痛みは消えることなく確かにあるはずなのに。
「それに、もしも治らなくても!手や足、頭とかではないですから日常生活にも問題なんてないですし!!」
なのに、それを表に出さず。ただ、ただ安心させようとする。
そして、ブルックを傷つけた者の血に塗れ。ブルックから斬り落とされた、欠け落ちた一本の骨を大事に必死に持ちながらも、かすか震えている指先のために落としそうになっているゾロに。
「・・・・・だから、もう、泣かないでください。
じゃないと、私、泣きますよ?ゾロさん、私を泣かせるんですか??」
道化のようにおどけて、からかうように悪戯めいていながらも。それでも優しさを基盤にして発せられた、音の葉を投げかけるから。
「・・・・・・泣いて、ねえよ。」
手にある『白』のために、痛みしか訴えない瞳をどうにか閉じて。なんとか震えながらも返した、掠れたゾロの一言に。
「じゃあ、私、泣きませんね。」
嬉しそうに、笑って。
「私を泣かせないでくれて、ありがとうございます!ゾロさん!」
変な礼を言うものだから。
「・・・・・なんだよ、それ。」
思わず、ゾロがツッコミを入れても。それでも相変わらず、ブルックは楽しそうに笑っているから。
そのいつもと変わらない、ブルックの笑う姿に。ゾロもようやく安堵したように、震えを治め。
「・・・・チョッパーのところに、早く行くぞ。」
ブルックを、促す。そうすれば。
「そうですね。じゃあ、一緒に行きましょう!」
いつも通りの元気良さを装い、そしてゾロをいま一人にしないように気遣って返事をブルックが返してくるから。
そこでようやく、このまま怪我人であるブルックに気遣われたままではいけないと頭が動き出したゾロは。自身の眉間に刻まれた深い皺を、なんとか失くし。
「分かった。」
かすか、だけど。ブルックを安心させるために、ゾロは笑った。
(いつも救われるのは、不甲斐無い俺。・・・・だけど、いつか、必ず。)
珍しく、弱いゾロ仕様の話。
この後、チョッパーに手当してもらったブルックをゾロが甲斐甲斐しく世話をしていればいい。
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