(ブルック生誕)
昼食を食べ終わったあとに、キッチン立ち入り禁止令を受けたブルックが、キッチンに立ち入りを許されたのは夕方だった。
今日の夕飯は何だろうと、楽しみにしながら入ったキッチンは。これでもかとばかりに、色艶やかに飾りたてられていた。
そしてキッチンにあるテーブルの上には、これまた所狭しとばかりに並べられた料理たちで。その料理たちの真ん中には、三段重ねのホワイトケーキが大きく鎮座していた。
このキッチンの様子を見て何の祝い事だろうと、首を傾げているブルックを中で待っていたチョッパーとウソップが手を引き。椅子に座らせ、皆でブルックを囲んだあと。
「「「「「「「「「お誕生日、おめでとう!!!」」」」」」」」」
皆で、お祝いの言葉を叫ぶ。
叫びを聞いて、ビックリして固まったブルックだったけれど。言われた意味を理解した瞬間、目もとを強く押さえ、震える声で。
「・・・・ありがとう、ございます・・・・!」
お礼、を言う。
そのブルックの言葉を聞いてから、皆が「先にケーキを食べよう!」「いや、料理を食べよう」「それよりプレゼントを渡そう!」等々、言い始め。
騒がしくなった周りのなかで、涙が零れ落ちないようブルックは、強く強く目もとを押さえ続けながら。
(・・・・生きて、いて。よかった・・・・。
こんな、しあわせが待っていたのなら。
本当、に。生きていて、よかった!)
強い、強い喜びを。祝ってくれる皆のなかで、ブルックは噛み締めるように感じていた。
(生まれてきてくれて、生きていてくれて。ありがとう、ブルック!)
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