海賊、という軍人とは真逆の立場に最近なったブルックは。海賊として一体自分は何をしたらいいのか、イマイチ分からないでいた。
なので、皆が集まっているとき。疑問の答えを得ようと。

「・・・・すみません。質問しても、よろしいでしょうか?」

問いかける。
すると、皆は嫌な顔をせず。何を聞きたいんだ、と笑って請け合ってくれる姿に、ホッとしながらブルックは。



「・・・・実は。海賊とは、一体、何をするものなのか聞きたいのですが。」



単刀直入に、問う。
そのブルックの言葉を聞き。皆、一様にキョトンとした顔をした後。少し、難しい顔をして。

「海賊が、何をするかってーと。・・・・・・・えー、冒険とかか?」
「え、歌うことじゃないのか?」
「馬鹿。歌う、なんて海賊じゃなくても、やっていいことだろうが!」
「あ、そうか!じゃあ・・・・・・・探検とかは?」
「宝探しだ!」
「いや、それらも海賊じゃなくても、やっていいことだろう。」

などと。海賊とは何をするものかと、いざ問われると答えに窮し。皆、頭を捻り、考え悩んでいると。



「・・・・・・海賊ってのは、『自由』なんだ。いちいち何をするかしないか、なんて不自由な考えに囚われるなよ。おめーら。」



呆れたように、ヨーキが答える。
その答えに、考え込んでいたクルーたちは「なるほど」と納得していたが。ブルックだけは、首を傾げていた。

「・・・・・『自由』、ですか。
 それは、何をしてもいいってことですか?」
「そうだ。」
「冒険も、歌も、探検も、宝探しも。したいなら、していいってことですか?」
「ああ、そうだ。」
「・・・・・・・じゃあ、なんで。自由、なのに戒めるんですか?」
「?何をだよ?」
「だって、そうでしょう。自由、なら無くてもいいのに。
 何故、貴方は。無闇に人を殺してはいけない、と掟にして決めているのですか?」
「・・・・・・は?」
「殺し、は。海賊にとって必要な、したいことでしょう?」

不思議で仕方ない、と。首を傾げるブルックに、「おいおいおい」と周りの皆が冷や汗を流すが。
だけど、そんな周りの反応すらブルックは不思議で仕方ない。
何故なら、ブルックが軍人だった頃。好き勝手に暴れて国の治安を乱し、民を害した彼らは鎮圧に動いた護衛団によく。

「弱い奴を殺して、何が悪い!」
「目ざわりだから、黙らせてやったんだよ!永遠にな!」

開き直った罵声をあげ。反省する素振りなぞ微塵もないまま法を、命を踏みにじっていた。
なので、ブルックの中では海賊とは。目ざわりだと思えば、弱い者を見れば「排除=殺し」という認識がある。
だから、掟にして戒めている彼らが不思議で仕方なく。首を捻っているブルックに、ヨーキは。



「〜〜〜〜〜いったあああ!!」



ゲンコツを、入れた。

「ちょ、痛いですよ!?船長!?!」
「お前が、馬鹿言うからだろうが!なんだ、その認識は!!」
「え?違うんですか?」

痛そうに殴られた箇所を擦りながら、ブルックが問えば。

「違うわ!!
 ・・・・・・いや、確かに、まあ、時と場合と船長の性格によっては、そうかもしれんが!
 少なくとも俺は、そんな格好悪いことは認めねえ!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?
 カッコワルイ、ですか??」
「そうだ!格好悪いだろ!?意味もなく、無闇やたらと、んな真似するなんて!!
 ・・・・それとも、お前は。格好いいとか思ってんのか?」
「いや、格好良くはないですけれど。・・・・・・そもそも、そういう問題ですか?」
「そういう問題だろう!
 自由な海の男が、格好悪い真似をしていいわけがない!!」

んなの、『唄う海賊』に相応しくねえ!!

真剣に、言い切るヨーキのその姿に。「カッコイイぞ、船長!」「いよ、男前!」等、ヤジめいた言葉が周囲から挙がっている。
その声に、気を良くして。「おーともよ!」と、豪快に笑うヨーキを半ば呆然と見ながらブルックは。



「・・・・・・なんというか。いつも、私のなかの常識を壊す人ですね・・・・・。」



なんともいえない顔で、零す。
すると、そのブルックが零した音を拾ったヨーキは。

「常識、なんてもんに囚われてたら。自由が、遠くなるぞ。」

太陽、みたいに笑う。
その笑顔を眩しそうに見ながら、ブルックは。

(・・・・・・殺しを嫌う海賊、なんて。いるんですねえ。)

しみじみ、と失礼なことを想いながら。ブルックが口にしたのは。

「・・・・・変わった海賊団ですよねえ。」

しみじみと、失礼なことだったので。

「「「「「お前も、その一員だろうが」」」」」

即座に突っ込まれたが。
だけど、彼らの仲間であることを。今日、ほどブルックは嬉しく誇りに思えたことはない。
だから、ヨーキにむかって。

「とりあえず、精進しますよ。
 ・・・・・貴方曰くの、『格好悪いこと』をしないように。」

悪戯っぽく返せば。

「それでこそ、海賊だ!!」

堂々、と。ヨーキは言いきり、そしてその言葉に躊躇うことなく賛同するクルーたちを見て、ブルックは笑いながら。

「本当、変わってますが。・・・・・・・・・居心地のいい、海賊団ですよねえ。」

楽しそうに、零した。
 








(『自由』は『定義』を、踏みつぶす。)









な、長々とお待たせさせたうえ、こんな出来でごめんなさい(平伏土下座)
素敵なリクだったのに、全くもって生かしきれない馬鹿頭で本当!すみませんでした!!

『格好悪いことはしない、好きなことはするっていう子供みたいな大人の集まり=ルンバー海賊団』って、全然表現できてない文才のなさが恨めしい(涙)


・・・・・・・あの。こんな出来で、本当、すみません。気に入らないようなら、書き直しします。
オリロンさま、リク、ありがとうございました!!










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