(剣士×音楽家)
斬りつけるかのような冷気から、細すぎる身体を守るために。ゾロは、己の防寒具全てをブルックに渡し、着せようとするのだが。
「駄目です!それじゃあ、ゾロさんが風邪をひくでしょう!」
ブルックは頑として受け取らず、着ようともしない。
しかし、そうして言いあっている間にも寒さは増していき。その寒さに比例するように、着こんでいても骨だけの身体は寒さに極端に弱いからブルックの動きもおかしく、ぎこちなくなっていくものだから。
「いいから、着てろ!」
ゾロは、強引に。けれど、ブルックを気遣う動きで既に身につけている防寒のうえから被せ、着せていく。
そして半ば、強制的に着せられたブルックは慌ててゾロに、身につけているもの全てを返そうとするのだが。
「ちょっ!?」
それをさせないために。ゾロは、ブルックを抱きしめて動きを封じる。
力では、どうしたってゾロに勝てないブルックは結局、ゾロの防寒具全てを奪う形になったことに申し訳なさそうに縮こまるなか。
「まだ寒いか?大丈夫か?」
ゾロは、更にブルックを気遣ってくるから。本当に申し訳なさそうに、ブルックは縮こまる。
ブルックのために、己だって寒いだろうに我慢して譲ってくれるゾロに。
「・・・・・・ごめん、なさい。」
不甲斐無さで泣きそうな声で、情けなさで歪んだ顔で。ブルックは、謝る。
けれどゾロは、そんなブルックに。
「おめえが寒さで辛くて、動けなくなる姿を俺が見たくなくて勝手にしていることだから謝るな。」
優しい言葉しか、かけてくれないものだから。一層、ブルックの顔は情けなさで歪んでいく。
しかし、その歪んだ表情に。ゾロは全く気付いていないくせに。
「・・・・なあ、ブルック。知ってるか?
寒くて辛いときには寄り添いあって、ぬくもり分け合って。互いを大事にして生きる、つがいの鳥のこと。
だから、まあ、不謹慎かもしれねえが。俺は、いま、その、なんだ。
・・・・俺たちが、そのつがいの鳥みてえだと思っている。」
耳まで赤くして、早口でまくしたて。そんな、ブルックを喜ばせることを、歪んだ顔を無くして赤くさせるようなことをする。
だから、もはや嬉しいやら恥ずかしいやら情けないやらしあわせやらで顔をぐちゃぐちゃにしたブルックは。
「・・・・・私、ゾロさんには一生、勝てないきがします。」
がくり、と。首を大きくうなだれさせ、力なく白旗宣言を口にした。
(・・・・無意識っていうか、天然っていうか!ああ、もう性質が悪い!!)
・・・雪が舞う寒さに耐えられなくて、ついガッとなって書いたss第二弾です(爆)
ついでにゾロが頑張って、ブルックに甘いことを言うssも書きたくて一緒にしてみようとしたら。纏まりがないブツになり下がったssともいいま(殴)
文才、欲しいな!切実に!!
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