(ヨーキ×ブルック)








ブルックの過去捏造が、酷いレベルなのでご注意を!














場所・時間によって青色を様々に変えるさまは万華鏡の如くに美しい海を、自由に泳いで楽しんでいた男ーヨーキーが。不意に泳ぐのを止めて、陸でのんびり紅茶を楽しんでいる男に大声で。

「・・・なあ、ブルック!お前、そろそろ海が好きになったかー!!?」

問う。
すると、陸にいた男ーブルックーが笑顔と共に、質問してきたヨーキに返したものは。

「・・・・・・・・・嫌いです。」

芯、から。冷たい言葉だった。












・・・・・ブルックの口から「嫌い」という言葉を聞いたヨーキは、思いきり不満そうな顔をして。

「なんだよ。いい加減、好きになれよ。海賊なんだから。」

不服そうに言いたてながら、ブルックのいる陸地に近づく。
しかし近づいてくるヨーキに、ブルックは。

「海賊だから、海を好きにならなければいけない。なんて、決まりごとはないでしょう?
 それに私は悪魔の実の能力者なんですから、そのせいで何度か海で死にかけたこともあるんですから海は好きになれません。
 ・・・・・だいたい、好き嫌いは個人の自由なんですから、干渉しないでください。」

男の言い分を聞き入れることなんて御免だとばかりに、斬り捨てる。

「・・・・・船長に向かって容赦ねえなあ、お前。」

ある意味、すげえぞ。

そう、零しつつ。ヨーキはブルックに向かって、おざなりに拍手するがブルックはもう相手にせず、紅茶を楽しむことを再開しはじめた。
その姿を見て、「今回も駄目だったかあ」と。あまり堪えた様子もなく、ブルックから離れてまた泳ぎはじめたヨーキを見て。

(・・・・あの調子だと。また、聞きにくるでしょうね・・・・・。)

こっそり、と。ため息を、ブルックは落とす。
だけど、どうしてもブルックは海が好きになれない。・・・・・否、嫌いという言葉では収まらないほどに忌み、憎んですらいる。

(海、は。私から、奪うだけ奪っていったのだから。)

・・・・・はじめて、海に奪われたのは漁を生業としていた父だった。海の嵐に巻き込まれて、船ごと還らぬ人となった。
つぎは、父を亡くしたために出稼ぎに出ていた母だった。休日を貰い家に戻ってくる途中、大型海王類に襲われ、船ごと喰われ還らぬ人となった。
さいごは、故郷だった。両親を亡くしたために島から出て軍人として働いていたブルックのもとに、大津波にあい、生まれ育った町が壊滅した一報が入ってきた。



・・・・・・なくしたもの、全てに『海』が絡んでいるのだ。好きになれるはずもない。



なのに、いま。ブルックは憎悪する海にいる。そして、忌々しい海が冠される『海』賊なんてものになっている。
そんなものに自身が成り果てる原因となったものに、ブルックが視線を動かすと。

(・・・・・・さっきまで、一人で泳いでいたはずなのに。なんで今は、船員たちから沈められているんでしょうかね、あの人?)

ひくり、と引きつった顔でブルックが見ていると。ヨーキは元気に船員たちにやり返していたので、まあ、ほっといてもいいだろう。

(・・・・・・多分、馬鹿を言ったことが原因でしょうしね・・・・・。)

見ていなくても原因が分かるほどには、彼との付き合いがある。・・・・・・出会った当初は、そこまでの付き合いになるとは微塵にも想わなかったが。
だけど、ヨーキと何度も会って話を重ねていくうちに。だんだんとブルックの裡で積み重なった想いが、あった。
そして、その想いは。



「俺と一緒に、海に出ねえか?」



大嫌いな海なんかに誘うヨーキの言葉を、断わろうとしたブルックの言葉を殺した。
・・・・・・だから、ブルックはここにいる。大嫌いな海のなかで生きる、大好きな彼の傍で生きるために。

(・・・・・絶対、言うつもりはないですけれど。)

だって、恥ずかしすぎる。海を憎んでいる気持ちを凌駕するほど、貴方を好きな気持ちがあったから海へ出れたなんて、恥ずかしすぎて誰にも言えやしない。
だというのに「海嫌い」が船に乗って早々に皆にバレてしまったので、ブルックは本当のことなんて言えず(だって本当のことを言って、「そこまで海が嫌いなのに、なんで海の男になったんだ?」と突っ込まれたら恥ずかしいことまでバレるため)。
「悪魔の実の能力者で泳げないから海は嫌い」と公言して、取り繕った。
そうしたら誰もそれ以上、追求しないで納得してくれたから助かったのだが。「海賊が、そんな理由で海を嫌いで、どうする!?」という主張を持つ約一名だけは、懲りずにブルックに。



「・・・・・・・・なあ、ブルック!お前、そろそろ海が好きになったかー!!?」



また、問うてくるが。ブルックも、また変わらない言葉を。
ブルックがヨーキを大好きでいる以上、同じ答えを。



「・・・・・・・・・嫌いです。」



紡ぐだけ。










(恥ずかしがり屋の本当の言葉は、いつだって飲みこまれる運命にある。)















・・・・・・折角、いただいたネタを活かしきれない馬鹿頭で、ごめんなさい(土下座)
ヨーキ=海好き・ブルック=海嫌いで陸好き。というシリアスを考えた結果、なんだか明後日の方向に全力で駆けて行った気がしてなりません(滝汗)
せめて「ハッピーエンド」だけは達成しようとしたのですが、こちらもなんだか明後日の方向に全力で駆けて行った気がしてなりません(吐血)

好きだけど。それが言えないで、傍にいるんだよー。ってニュアンスだけで終わったっぽい(がっくり)

・・・・・ひ、非常に残念な結果ssなので、気に入らないようなら本当書き直しいたします。
折角、リクしてくださったのにすみませんでした。由佳ちゃんマン様!!(土下座)








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